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民主党議員 馬淵 澄夫

10月7日に開かれた郵政民営化特別委員会は、小泉チルドレン片山さつきや佐藤ゆかりの質問デビューばかりが注目された感がある。
しかしその影で、ひっそりとテレビ中継デビューした民主党議員がいる。
馬渕澄夫45歳。
マスコミは全く取り上げなかったが、馬渕氏の質問こそが、この日の委員会のハイライトだった。
その様子は衆議院TVでも確認できるので是非見て欲しい。それは氏の質問の冒頭1分後あたりだった。以下抜粋。

私自身、一番下は幼稚園、上は高校生まで、6人の子供の父親でございます。

ここで会場に(おーーー)っとどよめきが起こる。
そしてそれはしばらくして、質問途中にも関わらず、拍手喝さいに変わる。
照れる馬渕議員。
なんか、この成り行きが笑えた。微笑ましくもあった。
次の民主党を担うのはあなただ、馬渕議員。
正直、質問内容はまだまだ青かった。
でも、あなたが少子化を憂えば、その説得力は誰にも負けないよ、馬渕議員。
あなたがCMで11人家族と共演すれば、それは圧倒的な説得力を持って見た人に暖かい家族のありがたさを思い出させるだろう。
音極道茶室は、民主党議員馬渕澄夫(の子造り)を応援します。
まぶちすみおオフィシャルサイト

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ロンドンのストリートファッション

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日本にもこのムーブメントが来る日は近い。

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社会・政治

拝啓 松浦勝人様

拝啓 松浦勝人様
はじめてお便り致します。
音極道茶室のJ2と申します。
此度の「のまネコ騒動」における松浦様のご心労の大きさは察するに余りあります。
おそらく大変な想いをされている事でしょう。心より同情申し上げます。
商標登録出願の取り下げ等により、一旦はこの騒動が沈静化するかとも思われましたが松浦様宅の放火予告や、mixiにおける松浦様ご自身の肖像権騒動など、鎮静化するどころか事態はさらに泥沼化の様相を呈しています。
このような騒ぎの混迷を見るに見かねて、僭越ながら私見を述べさせていただきたく筆を取った次第です。
正直申しまして、以前からエイベックスに対する私個人の心象は決して良いものではありませんでした。
CCCDの導入等では明確に否定的立場でしたし、エイベックスの提供する音楽コンテンツ全般につきましても否定的でした。
しかしながら、「恋のマイアヒ」におけるFlashコンテンツの収録によって私のエイベックスに対する評価は大きく変わりました。以前のエントリー でも触れましたが、これは日本の著作権ビジネス史に残る大英断だったと今でも思っております。
ネットに広く出回った「著作権侵害コンテンツ」を肯定するというのは、従来の日本のビジネスではありえなかった発想です。心から感銘を受けました。
しかしながら、9月に入って状況は一変しました。
「のまネコ騒動」に一気に火が付いたトリガーは間違いなく「グッズ」の販売開始です。
松浦様には、この騒動の発端をもう一度思い出して頂きたい。
ここでモナーとの類似性など細かい話を蒸し返すつもりはありません。
ただ一つだけ申し上げたいのは、エイベックスという企業の「あるべき姿」についてです。
エイベックスはいつからキャラクターカンパニーになったのでしょうか?
そして、ディズニーやサンリオのようなキャラクタービジネスのTOP企業がこれまでネットのAAを基にした急造キャラクターでビジネスをしたでしょうか?
彼らはそのような下手は打たないはずです。キャラクター産業の担い手としてのプライドとコンテンツのクオリティに対する強いこだわりがあるからです。そして、そのような高い自負心が彼らをTOP企業にのし上げたとも言えます。
もう一度、エイベックスとは何か、思い出してください。
エイベックスとは、日本の「音楽業界」におけるリーディングカンパニーだったはずです。あり方の良し悪しについては賛否あるでしょうが、客観的に見て日本の音楽業界を牽引してきた存在であったはずです。
Flashの収録を中止し、商標登録を取り下げても「キャラクタグッズ」には固執する理由は何でしょうか?私から見ると、そのような対応はあべこべですし、理解に苦しみます。
音楽レーベルとしてのエイベックスを再建するにせよ、キャラクタビジネスにシフトして行こうと考えるにせよ、いずれにしてももっと高い理念が必要ではないでしょうか?
確かに2ちゃんねるを中心とする今のネット上には、容認し難い内容の書込みや必要以上に過激な言動があるでしょう。明らかに一線を越えるものについては、然るべき措置を取るべきでしょう。
しかし騒いでいる人々の殆どは、オフラインでは普通の家庭に住む普通の若者です。
エイベックスにとっては顧客の中心層に位置する人々です。
好むと好まざるとに関わらず、共存していくしか道はないのです。
mixiにおける肖像権侵害騒動 は、松浦様の現在の心労や苛立ちが引き起こしたものと理解しています。
お気持ちは理解できますが、ご自分の肖像権より、所属アーティストの方々の肖像権問題を優先させるのが本筋です。この件では、それまでエイベックスに同情的だった人々も失望している人が多いと思います。
アメリカでは、iTMSの普及が刺激剤となってCD売上も増加していると聞きます。
日本の音楽業界も今は低迷していますが、やるべき事はまだたくさんあるはずです。
私見では、日本の音楽ビジネスの低迷は、単にコンテンツそのものの「質の低下」に起因すると考えます。
松浦様には、どうか冷静さを取り戻して此度の騒動を乗り越えて頂きたい。
グッズ販売などで小金を稼ぐのではなく、音楽業界の再興に真正面から取り組んで頂きたい。
今回の騒動に関する一傍観者の戯言でした。失礼な表現もあったかと思いますがお許しください。
今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具
[2005/10/4 追記]
このエントリーはエイベックス・グループ・ホールディングス株式会社社長である松浦勝人氏へ向けたメッセージです。
昨日、本エントリー投稿後このページのURLをメールで松浦氏に通知しましたところ、本日4日、ご本人から大変真摯な返信を頂きました。
(リアクションは期待していなかったので驚きました。)
今後、なんらかの形で、この騒動に対するエイベックスの対応に良い変化がある事を期待しています。

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著作権

MOVABLE TYPEでモブログ

表題のテスト投稿です.
http://moblog.uva.ne.jp のモブログサービスを利用すればMOVABLE TYPEでも簡単にモブログが出来ます。
まず上記サイトでアカウントを作ってあとは指定されたメールアドレスに記事をメールするだけ。あらかじめモブログ投稿用の投稿者とカテゴリをMTに作っておくと良いです。写真もアップしてみます。昨日買ったHACK本の山。いつ読むんでしょうかorz
つか、携帯で入力UZEEEE!
なんて言うとオヤジくさいですかそうですか。もう限界。送信!
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社会・政治

マジック1

大変だよ、阪神が優勝しちゃうよ!

3年間で2回も優勝なんて

どーしていいかわからないよ!

天変地異が起こるよ!

コワイよ!

きっと郵政民営化法案が

否決されちゃうんだよ!

きっと楽天の監督が

トルシエになるんだよ!

きっと防衛庁長官が

片山さつきになるんだよ!

きっと陣釜さんが

エルメスに勝つんだよ!

コワイよママン

コワイよママン

(((((((( ;゚Д゚)))))))

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社会・政治

Googleの無かった時代

知らない言葉。
私が学生だった頃、新聞や書物を読んでいて「知らない言葉」に出会ったときにその疑問を解決する事は決して楽な作業ではなかった。
国語辞典を引く。
親や友人に尋ねる。
この程度の作業で疑問が解決すればかなり幸運。
大抵の場合疑問は解決するどころかますます深まって途方に暮れた。
どうしても気になった時は書店へ行った。
まずは「現代用語の基礎知識」や「imidas」といった類の本を当たってみる。次は専門書、専門用語辞典の類。あちらこちら詮索しているうちにあっという間に時間が過ぎた。
時には書店でお目当ての言葉に巡り会う事もあった。やっと探し当てた「解説」。それが、ほんの数行の記述であってもそれで全て納得しなければならなかった。
書店でも収穫無しだったら、とりあえずあきらめるしかない。膨れ上がった知的好奇心は満たされぬまま放置された。
知らない言葉。
そんなものの為に悶々とした時代が確かに有った。
気が付けば、いつのまにか「知らない言葉」で悩む事はほとんど無くなってしまった。Googleツールバーに言葉を入力しない日は無いくらい、それは当たり前の作業になった。隔世の感がある。
しかし忘れてはならないのは今現在も「Googleの無かった時代」を生きている人がたくさん居る事だ
Googleが「新たな試み」で我々を驚かす度に、「情報格差」は拡がっている。

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WEB

過去ログにもっと光を

ちょっと前の話になりますが、9月3日に書いた『著名ブログの「最初の記事」を集めてみた』というエントリーが、予想外の大きな反響をいただきました。特にはてなブックマークでの44USER (9/22現在)というのは私にとっては大事件でした。このエントリーを取り上げてくださった全ての皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
最近は膨大な情報発信者がいるせいか、ネット上のコンテンツの消費サイクルが異常に速いな、と感じます。はてなブックマークで大人気になったコンテンツでも、一週間経てば「過去」に追いやられる。で、皆RSSリーダーなどに依存しているからその傾向に拍車がかかる。情報の絶対量が多すぎて、「新着差分」という上澄みを追っかけるだけで汲々としてしまうわけです。
でも、それってすごく「もったいないなー」と。
過去のコンテンツを拾い上げるのは現状ではもっぱらGoogleの仕事ですが、「検索」はあくまで「キーワード指向型」の世界観で、過去を掘り下げるというよりは時間の観念が無視されているといった方が近い。ネットでは「時間軸」が軽視されてます。
翻って、既存メディアの代表格テレビに目を向けると、「昭和の名曲ベスト100」だったり「思い出のアニメ100選」みたいな特番もの、ケーブルテレビに至っては「ジャンボ鶴田vsミルマスカラス」だとか、1980年の「巨人vs阪神」だったり、「バイオニックジェミー」「子連れ狼」「ドリフの大爆笑」などなど、「過去のコンテンツ資産」がメインと言ってもいいくらい溢れかえってます。まあ、テレビの場合は慢性的なコンテンツ不足もあるでしょうが、やはり「過去」には根強いニーズがあるんです。
そういう意味で、今回の「最初の記事」企画がきっかけでARTIFACT -人工事実-さんの最初の記事が今になって、「注目のエントリー」 に上がってきた時は思わずニンマリしてしまいました。(kanoseさんからすればいい迷惑だったかもしれませんが…スミマセン)
テキストサイトがブログに移行してきて、過去ログ漁りは昔より遥かに簡単になりました。CMSとしてのブログは、過去のアーカイブをPermaLinkとして整然とストックしてくれる。この恩恵を積極的に利用しない手はありません。ネット上にあまた埋もれている過去ログは「宝の山」です。
これからも「過去ログにもっと光を」をテーマに試行錯誤していこうと思います。
以上、「最初の記事」エントリーの反響を受けての雑感でした。

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スポーツ・格闘

前原誠司という男

前原誠司が民主党代表に選出された。
「解党的出直し」を求められる代表選挙でその結論が「管直人」だったならお笑いネタにしかならなかったわけで、とりあえずこの結果は歓迎されて良いだろう。
早速今日(9/18)朝のフジテレビ『報道2001』に前原新代表が出演していた。
番組の印象含め、とりあえず現段階で私の目から見た「前原誠司」という政治家の人間像についてちょっと語ってみたいと思う。
まずは、前原氏のWEBサイトからプロフィールを見てみよう。

昭和37年 4月
 京都市左京区に生まれる(1962年4月30日生)
 昭和44年 4月
 京都市立修学院小学校入学
 昭和50年 4月
 京都教育大学教育学部附属京都中学校入学
 昭和53年 4月
 京都教育大学教育学部附属高等学校入学
 昭和57年 4月
 京都大学法学部入学、国際政治学(高坂正堯ゼミ)を専攻
 昭和62年 4月
 (財)松下政経塾入塾 第8期生
 平成 3年 4月
 京都府議会議員選挙(左京区選出)において府議会史上最年少の28歳で初当選
 平成 5年 7月
 第40回衆議院議員総選挙において初当選(旧京都1区選出)
 平成 8年 10月
 第41回衆議院議員総選挙において2期目の当選
 平成 12年 6月
 第42回衆議院議員総選挙において3期目の当選(京都2区選出)
 平成 15年 11月
 第43回衆議院議員総選挙において4期目の当選(京都2区選出)
 平成 17年 9月
 第44回衆議院議員総選挙において5期目の当選(京都2区選出)

ここで特筆すべきは、京都大学で高坂ゼミ門下である事だろう。
松下政経塾出身だとは知っていたが高坂ゼミ出身とは知らなかった。高坂正堯と言えば、晩年はサンデープロジェクトのコメンテーターとして茶の間にも親しまれた、現実主義的政治外交論の巨匠である。「報道2001」の番組中も何度か高坂氏の名前を出していたし、彼の政治思想の基礎は高坂ゼミで築かれたたのだろう。親中派の多い民主党の中ではユニークな存在と言える。このあたりはわりと好感が持てるし、学生時代の経歴としてはおそらく最高レベルだ。
1993年7月に新党ブームの追い風に乗って日本新党から初当選。
で、面白かったのが、1995年にフジ「報道2001」番組上で行われた一回生議員9人によるディベート大会で安倍晋三らを抑えて優勝したというエピソード。この話も今日の報道2001で紹介されて当時のVTRもチラっと放送されたのだが、他にも高市早苗や松沢しげふみの姿もあって、錚々たるメンバーだった。どうやら弁が立つという意味でも最上位クラスらしい。
実際、今日の「報道2001」番組中の受け答えもほぼ完璧という印象だった。
頭の回転も速いし、ソツがない。落ち着きもある。岡田克也あたりと比べちゃうと格が違うという感じだった。
しかし、どうも好きになれない。
一言で言うと、橋本龍太郎を見ている感じなのだ。エリートで政策通、論理的でなめらかな弁舌。そこそこ良いルックス。で、それらの要素から醸し出される自信過剰な感じと、親しみにくさ。
まずお笑いネタにはなりにくい。その点だけは管直人の足元にも及ばない感じだw。
まさに橋本龍太郎タイプ。
節操の無さも気になる。電脳補完録 によれば、前原誠司は拉致議連と日朝友好議連の両方に所属している。
この組み合わせは普通に考えればありえないだろう。それぞれでちゃんと活動しようとすれば確実に自己矛盾に陥る。選挙用のポーズなのか日和見主義者か。謎である。
2ちゃんねるでは、府議会時代の「同和推進副委員長」という経歴がオフィシャルサイトのプロフィールから突然削除されたという事で昨日から話題になっていた(関連記事)。スクリーンショットを見る限りガセではないっぽい。経歴そのものよりも「削除した」事の方が気になる。
この削除が「ネット対策」の一環だとすると、「ソツがない」にも程がある。府議会時代のこの程度の役職で神経質になるのは、むしろ逆効果だと思うのだが。こんな細かいとこにまで気がまわっちゃうところが逆に危うい。やましい事があるのかとかえって疑われるでしょうに。それとも、前述した「節操の無さ」となんか関係があるのだろうか?
それから、JSFさんの記事(&コメント欄)で知ったのだが、前原は軍事マニアかつ鉄道マニアで、前防衛庁長官の石破茂氏と意気投合だったらしいw。
こういう一面をどんどん強調していけば「親しみやすさ」もいくらかアップするかもしれない。
そういえば、前原と石破で検索してて、こんな議事録を見つけたのだけど、このやりとりも2人でニヤニヤしながらしてたのか。ちょっと笑えるw。
「好きになれない」とは書いたものの、現在の民主党においては最上位の人材である事は確かだろうし、党首討論などでは小泉がタジタジになる場面も多くなりそうだ。
ある程度固定ファンも増えそうだし、自民党が自滅すれば、風を掴むくらいのポテンシャルは秘めているだろう。
謎めいた部分もあるし、ネットでもはっきりとした評価は留保してその言動を見守ってる人が多い感じがする。それにしても、基本的にリアリストである筈の前原が、どういう理由で「外国人参政権に賛成」しているのかはぜひ聞いてみたいものだ。

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スポーツ・格闘

「のまネコ騒動」を正しく理解する

9月1日にエイベックスが「のまネコキャラクターグッズ」販売を開始した事に端を発する「のまネコ騒動」はまだ収束する気配がない。(ご存知無い方は こちらの記事を参照)
この件に関してエイベックスの対応に非があった事は明らかで、怒りの世論が巻き起こるのも当然ではある。しかし一方でその問題点が整理できていない為に、ただ単に怒りを撒き散らしている論調が多いのは残念だ。
このエントリーでは、まず判断根拠となる法的解釈を整理した上で、この騒動の問題点について検証してみようと思う。

キャラクターとはそもそも著作物か?

この根本的なところがいきなりグレーゾーンだ。
まずは著作権法から「著作物」の定義を見てみよう。

1.著作物
思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

この条文を読む限り、キャラクター単体では「思想又は感情を創作的に表現したもの」というのは微妙なものがあるし、「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」というのもこれまた微妙だ。
では世に言う「キャラクタービジネス」において、キャラクターの著作権保護はどういう理屈で構成されているか。
CharaBiz.comというサイトの「基礎知識」コーナーの記述が参考になる。以下抜粋。

日本で使われている「キャラクター」の意味を簡単に説明すると、
一般的にはコミックやTVアニメーション、映画など著作物に登場する人やロボット、擬
人化された生き物などの総称として使われています。

つまり、アニメや映画など、まずベースになる著作物があって、その構成要素として派生的に登場キャラクターも著作権保護の対象になるという解釈であり、藤崎詩織事件などの判例を見てもそのような解釈がなされているようだ。実際、ミッキーマウス、ポケモン、アンパンマンなど、キャラクタービジネスとして成功したものは、その殆どにベースとなる「著作物」がある。
逆に言うと、そういった「著作物」の構成要素としての拠り所を持たない「図柄だけの」キャラクターが著作権の名の下に守られる可能性はあまり高くない。とりあえずそのような「図柄だけの」キャラクターが著作物か否かの判断が下された判例はまだ多分無いはずだ。
では、「キャラクター単体」の権利は通常どのようにして守られるか。
その拠り所として「商標登録」がある。例えばサンリオのキャラクタ群などはあらゆる分野において商標登録でガチガチに守られている。
以上の点を鑑みると、モナーやおにぎりが「著作物」として認められるかどうかは極めて微妙だ。そういう意味で「モナーなどのAAは商標登録しておくべき」という意見が、ある程度有効な方策である事がお判りいただけると思う。
ちなみに「のまネコ」も登録商標検索で確認した限りでは、未だ商標登録されていない様である。
[2005/9/29追記]
「のまネコ」及び「米酒」が有限会社ゼンによって商標登録出願されているのを確認。
なぜかキャラクターの図柄は「米酒」の方で出願されている模様。これはおそらく「のまネコ」と「米酒」はキャラクタ設定にとって不可分なものという事を明確にしたかったものと思われます。モナーとの明確な差別化を図ろうというエイベックスの意図は汲み取れる気がします。

AAはパブリックドメインか

AAが(著作物であると仮定して)パブリックドメインであるという説をたまに見かける。本当にそうだろうか。どんなAAも、それを最初に公表した人間がどこかにいるはずである。そして、著作者が不明な場合でも著作物は基本的に公表後50年間保護の対象になる。インターネットの歴史を考えてみても、AAが公表後50年経過しているとは思えない。
著作者が不明であるからといって、またそれらが世に広く普及しているからといってそれだけで著作権が消滅する法的根拠は無い。やはり「著作者不明の著作物」と解釈するのが自然だろう。
著作者不明の著作物を利用するにあたって、著作権法では以下のように定められている。

(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
第67条 公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払つてもその著作権者と連絡することができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。

「のまネコ」にオリジナリティはあるか

のまネコとモナーの類似性について、知財分野の専門家である栗原潔氏のブログの記述から抜粋してみよう。

そういう意味で言うと、両者が類似してると認めてもらうのはちょっと厳しい気がします。
商標の実務で言うと、キャラクターというのはわりと類似の判定が甘く、ちょっとでも違ってると非類似とされるようです(まあそうしないと線画で描いたネコなんてみんな類似になってしまいますからね)。商標の審査と裁判所の認定は異なるプロセスですが、基本的考え方は同じだと思います。

確かに、商標実務の様に「図柄」だけから判断するのならば栗原氏のおっしゃる通りだろう。しかし、今回問題なのは「図柄」が似ているという事だけではない。それらの図柄には黒Flash当時の「オリジナル」があって、それが改変されていった過程が公にバレバレだったという事こそが問題なのだ。
わた氏が当初発表していたFlashで登場していたのは明らかに「モナー」であり「オニギリ」だった。少なくとも作品を見た者は皆そう思ったはずだ。そしてその作品がAAの巣窟である「2ちゃんねる」で発表されていた。
その同じ作品であるはずのものが、登場キャラだけが突然「のまネコ」に化けた。このプロセスこそが騒動の要因であって、単に「似てるじゃん」という問題ではない。
さらに極めつけは、エイベックス自身が、最早伝説となりつつあるw一節

インターネット掲示板において親しまれてきた「モナー」等のアスキーアートにインスパイヤされて

と述べて、AAとの関連性を認めた事だ。
少なくともエイベックスは法的に「シロ」だと言い切る事はできない。残念ながらモナーの創作者が不明な為に「手出しができない」というだけだ。

エイベックスはどこで道を間違えたのか

もう一度原点に立ち返ってみると、明確に「著作物」と言えるのはO-zoneの歌う楽曲とわた氏の「Flashムービー」だけである。登場キャラクタがモナーか否かに関わらず、Flash作品がわた氏の「著作物」である事は疑問の余地が無い。Flashだけ見れば本当に素晴らしい作品だと思う。
で、それらの状況から想像するに、おそらくわた氏がエイベックスに譲渡したのはあくまで「Flashムービー」の著作権であって、それはそれなりに報酬を受けてのものだったろうし、Flashの作者がわた氏である以上そこを非難するのは的外れだ。
まあ確かに、わた氏本人の弁解が火に油を注いでいる感はあるが、そもそも彼女は著作権についてあまり理解していない様に見受けられる。
(判っていればあんな意味不明で逆効果にしかならない弁解をするはずがない。)
これはあくまで推測だが、わた氏はエイベックスから
「Flashムービーの登場キャラクタについて著作人格権を主張しない」
「登場キャラクタについてAAであると公言しない」
あたりの事を確約させられた程度で、本人はそれを律儀に守ろうとしているだけではないだろうか。
それよりも、ここまで取り上げた点だけを見てもキャラクター周辺の法的判断はグレーゾーンだらけである事はお判りいただけたと思う。このテの騒動が起きる度に事態が混迷を深めてしまうのも無理も無い。
エイベックスはせめて「グレー」なものは、「グレー」のまま処理すべきだった。
少なくとも深入りすべきでなかった。
思えば、ドワンゴのCMにおけるAAの著作権処理なども外部からは不透明だし、電車男のドラマ中に出てくるAAが、しかるべき処理手続きを踏んでいるのかだって判然としない。
それでも騒ぎにはならない。深入りしなかったからだ。それが最低限の大人の判断というものだろう。
しかしエイベックスは「のまネコ」という急造キャラを生み出して、グッズまで販売してしまった。
グレーの上から無理やりペンキで白く塗った挙句、「著作者」として「権利」まで主張してしまった。本来、「著作物利用者」でしかないはずが逆の立場を装って目先の利益に走ったのだから、それは非難されても仕方が無い。そこがエイベックスの、唯一にして致命的な過ちだったと思う。
ちなみにFlash作品中の「空耳」がわた氏本人のアイディアかというのは、あまり本質的な問題ではない。詞の著作権はあくまで原曲の「作詞者」のものであって、その「発音」を日本語に置き換えただけで「創作物」とみなされる可能性はどのみち低いからだ。

最後に

昨年、わた氏の「マイヤヒFlash」を初めて見た時は感動したものだ。その後、何度繰り返し見たか判らない。
エイベックスの不始末ばかりがクローズアップされているが、本来著作権者に抹殺されがちな「黒Flash」を敢えて採用し、世のニーズに応えようとしたのは画期的な英断だった。その素晴らしい試みが、この騒動で全てオジャンになってしまったのが残念でならない。
他所の言及記事としては、
大西宏のマーケティングエッセンス:「のまネコ問題」は、avexがそういう会社だということ
がよくまとまっていた。今後の課題なども含めて同意できる部分が多かった。
よければこちらも併せて。

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社会・政治

「有り得ない」選挙結果がもたらしたもの

ここまで自民党が圧勝すると誰が想像しただろうか。
普通に考えて「有り得ない」結果だったと誰もが認めざるを得ないだろう。
東京比例区で名簿順位30位までの全候補者が当選し、さらに1議席分の得票を余してしまった為に社民党の保坂展人氏が繰り上げ当選したというエピソードが象徴的だ。
ちなみに余談になるが、保坂氏の当選はまさに奇跡。なんと保坂氏の社民党名簿順位は1位ではなかった。名簿順位1位は中川直人氏だったのだが、東京9区との重複立候補だった中川氏は小選挙区で10%の票を得る事ができず当選資格を失った。社民党比例単独の泡沫候補に運命の女神は微笑んだのだ。
さて、今回の選挙で確かに民主党は惨敗した。
そして、数字上では自民党が「圧勝」した。
しかし、自民党議員達は喜びの一方で背筋に寒気を感じているのではないだろうか。人は想像だにしなかった現実を目の当たりにした時、本能的に恐怖する。
例えて言えば、アクセスUPに四苦八苦していたブログに突如10万PVのアクセスが集中したようなものだ。そんな時、「喜び」より「恐怖」が先に来る。
今回の選挙結果は「有権者の暴走」と言えるかもしれない。しかし、暴走したおかげで我々有権者は自らの一票のパワーを知った。そして、各政治家もまた「有権者の怖さ」を知っただろう。これまで「選挙のプロ」ともてはやされた選挙参謀達は自らの持つノウハウが陳腐なものになったと痛感しただろう。
従来の「選挙の常識」が壊れた時、それは全ての政治家に重くのしかかる。敗者だけでなく勝者にもだ。今回のような想定外の結果も、次の選挙からは「想定」しなければならなくなる。圧勝があるのだから、惨敗もある。仮に自民党が次の選挙以降10議席ずつ失ったとしても過半数を切るまでに選挙を6回戦える計算だ。これは逆に言えば、そんなショボイ数の増減では最早勝敗の意味を成さないという事だ
一度大きく波打った水面はなかなか静寂を取り戻せない様に、これからは選挙の度にドラスティックな勢力変化が起きやすくなる(というか、次の選挙でも与党側がこの勢力を維持なんてことになればそれはそれでスゴイ事だ)。そうなれば必然的に選挙への関心は高まり、さらに有権者は成熟していく。投票率は欧米並みになって、各政党支持団体の相対的価値が下がっていく。
政治家が有権者を恐怖するとしたら、それは良い傾向だ。今回の選挙での本当の勝利者は「有権者」かもしれない。
日本の民主政治は「新時代」を迎えた。ただ単に自民が大勝したからと言うのではなく、そういう意味で、今回の選挙結果は素晴らしかったと思う。