ジャックバウアーになりたい

ジャックバウアー。
世界で最も1分1秒を有効に使う男。
彼にかかれば、24時間で大統領を暗殺の危機から救い出し、LAを核爆弾の恐怖から救い、テロリスト達も一網打尽だ。
ジャックバウアーになりたい。
ジャックなら、どんな仕事でも納期を守れるだろう。
仕様の解釈が食い違ってる?
今すぐクライアントに電話しろ。
夜中の2時?かまわん。叩き起こせ。
選択の余地は無い。もう時間がないんだ。
デザイナーと連絡が取れない?
君がやれ。そう、デザインも君がやるんだ。
選択の余地は無い。もう時間がないんだ。
不具合の原因が判らない?
今すぐ書店へ直行して参考になりそうな本をかたっぱしから買い漁れ。
ネットに有用な情報があるかもしれない。トニーにチェックさせよう。
ブログなんて書いてる場合か。
10分だ。10分以内にエントリーを書き上げろ。
ヤツは頭がイカレてる。だが、結果を出す男だ。
ああ、私はジャックバウアーになりたい。

Flash演習-徘徊するドットが描くイラスト

O’reillyの『Flash Hacks』に紹介されているHACK #2を応用してちょっとしたコンテンツを作ってみた。
「RANDOM」「FACE1」「FACE2」の3つのボタンがある。
ステージ上には2×2ピクセルのドットがランダムに散乱している。「FACE1」「FACE2」のボタンをクリックするとそれらのドットが徘徊して、ある人物の顔を描いていく。誰の顔かわかる?
ドットが粗い上に、2階調なのでちょっとわかりづらいかも。一人は女優。一人は政治家。
「RANDOM」をクリックすると、ドットが再びランダムに散らばる。

プログラムは超シンプル。ボタンハンドラを除けば空行やコメント行を含めても80ステップに満たない。
swfファイルサイズも8kByteをわずかに超える程度だ。
まずステージ上に、ドットオブジェクト(インスタンス)を2400個生成する。Flash上ではオブジェクトが2500個を超えると急激にパフォーマンスが落ちるらしく、少し余裕を見て2400個とした。
で、ボタンをクリックする度に各ドットオブジェクトに目的地を設定してあげて、ドットのEnterFrameハンドラに、目的地へ移動するメソッドを設定してあげるだけ。このメソッドはHACK本のものをそのまま使った。
絵を描くような目的地をいかにして割り出すかというところがこのHACKのミソなわけだが、けっこう力技。HitTestを使って地道に上からドットを舐めていく。
ActionScript(Macromedia Flash)は、オブジェクト指向を学ぶのに最適なツールだと思う。
オブジェクトがそのまま目に見える物体になる。メソッドはその挙動になる。アトリビュートを変更すればオブジェクトの位置や態様の変化が目に見える。これほど直感的に学べるツールはない。
JavaScriptとかだと、ブラウザ互換だとか本来のプログラミングと関係ない余計な気を遣わないといけないがFlashはプラットフォームが(一応)統一されているので、余計な気遣いも少ない。
オープンソース系の人にはどちらかというと不人気なFlashだが、少しでも興味を持ってくれる人が増えるとよいなー。今後も折を見てFlash演習モノエントリー続けていきます。

Flash Hacks―プロが教えるテクニック&ツール100選
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民主党議員 馬淵 澄夫

10月7日に開かれた郵政民営化特別委員会は、小泉チルドレン片山さつきや佐藤ゆかりの質問デビューばかりが注目された感がある。
しかしその影で、ひっそりとテレビ中継デビューした民主党議員がいる。
馬渕澄夫45歳。
マスコミは全く取り上げなかったが、馬渕氏の質問こそが、この日の委員会のハイライトだった。
その様子は衆議院TVでも確認できるので是非見て欲しい。それは氏の質問の冒頭1分後あたりだった。以下抜粋。

私自身、一番下は幼稚園、上は高校生まで、6人の子供の父親でございます。

ここで会場に(おーーー)っとどよめきが起こる。
そしてそれはしばらくして、質問途中にも関わらず、拍手喝さいに変わる。
照れる馬渕議員。
なんか、この成り行きが笑えた。微笑ましくもあった。
次の民主党を担うのはあなただ、馬渕議員。
正直、質問内容はまだまだ青かった。
でも、あなたが少子化を憂えば、その説得力は誰にも負けないよ、馬渕議員。
あなたがCMで11人家族と共演すれば、それは圧倒的な説得力を持って見た人に暖かい家族のありがたさを思い出させるだろう。
音極道茶室は、民主党議員馬渕澄夫(の子造り)を応援します。
まぶちすみおオフィシャルサイト

「寄生獣」をハリウッドの最高傑作に

「寄生獣」ハリウッドで映画化”というニュースが飛び込んだのは7月15日の事だった。
なんてこった!ハリウッドだ!監督は「THE JUON」の清水崇だ!
「寄生獣」は個人的に最も思い入れの深い漫画であり、最も映画化して欲しい作品でもあったから、このニュースには興奮を抑えられなかった。同じ様な想いを抱いている人は想像以上に多かったようで、例えば「はてなダイアリー」を見ても、この記事に関する言及数がなかなかスゴイ数になっている。こんなに人気あったのか、と改めて驚く。
このニュースに対する反応としては、概ね「超楽しみ!派」「超不安!派」に分かれている様だ。どちらの気持ちもスゴク良く判る。私も期待感が膨らむその一方で、「デビルマン」や「キャシャーン」の悪夢が脳裏をかすめる。ハリウッドだから大丈夫と言っても「GODZILLA」の様な先例もある。
とにかく「寄生獣」は素材としては超一級だ。寄生獣の連載第1話を読んだ時から「これは映画だ!」と感じた。ハリウッドの最高傑作の1つに成り得るだけのポテンシャルはある。
まず「寄生獣」をご存知ない方の為に、ごく簡単に作品の概要を紹介しよう。
やはりWikipediaが良くまとまっているので以下引用。

『寄生獣』(きせいじゅう)は、岩明均による漫画作品。全10巻。講談社・月刊アフタヌーンに1990年1月号から1995年2月号にかけて連載され、作者の代表作となった。2004年には完全版全8巻で新しく発売されている。1993年第17回講談社漫画賞一般部門受賞、1996年第27回星雲賞コミック部門受賞。
一人の青年の数奇な運命を通して、生命の本質を峻厳に描きつつ、それ故に見えてくる人間性の尊さと人の浅はかさを訴えた内容は、各方面から注目された。

~中略~
あらすじ
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。それは、人間に寄生して脳をのっとり、別の生き物となって日常生活に紛れ込む。肉体ののっとられた部分は「考える筋肉」とでも言うべき特性を帯びていた。高い知性を持ち、刃物や紐などの形に自由に変形し、寄生した個体と同族を捕食の対象とする。捕食の際には寄生体全体が口となる。そのエサは人間。間一髪で脳ののっとりを免れ、しかし右腕に寄生された主人公の高校生・泉新一。その「右腕」・ミギーとともに始める寄生生物=パラサイトとの戦いを描く。

2003年に発売された完全版はこちら(全8巻)。
レビューに注目。すごい高評価っすw。

寄生獣―完全版 (1)

寄生獣―完全版 (1)

  • 作者:
    岩明 均
  • 出版社・メーカー:
    講談社
  • 発売日:
    2003/01
  • メディア:
    コミック
  • 評価:
    4.89
    (全19件)

さて、ではこの「寄生獣」がどんな映画になりそうなのか、
まずは、漏れ伝えられている情報から整理してみよう。(情報元: allcinema.net)

  • タイトルは原作の英語版と同じ「Parasyte」
  • 監督は「THE JUON/呪怨」の清水崇
  • 製作元はアメリカの大手、ニューラインシネマ(ロードオブザリング等)
  • 清水崇は脚本製作にもスーパーバイザーとして関わる予定
  • プロデューサはアングリー・フィルムズのドン・マーフィ、ヘンソン・ピクチャーズの
    リサ・ヘンソンと Kristine Belson、そして日本の一瀬隆重
  • CGを駆使して原作を忠実に再現するとの事(via WEB報知)

特筆すべきは、音頭を取るのが「ロードオブザリング」の映画化を実現させたニューラインシネマだという事。これは心強い。ベストと言ってもいいかもしれない。
監督は、個人的なイメージではジョンカーペンター(遊星からの物体X、ゼイリブなど)だったのだが、日本語版原作の機微を理解できる清水の方がベターかもしれない。
プロデューサ陣もいい感じだ。超ビッグネームではないが、「フロムヘル」のドンマーフィ、「ハイクライムズ」のリサヘンソンと、ジャパニーズホラーの仕掛け人一瀬。むしろマイケル・ベイあたりのビッグネームの方が駄作の確率は高まるような気がするのでこのスタッフ陣は好感が持てる。これは思い切り期待できる布陣だ。
さらに、作品を駄作にしない為に何が必要なのか。独断で妄想してみた。
●舞台は日本か、アメリカか
ハリウッドで映画化する以上、アメリカでヒットしなければ話にならないわけで、とりあえず主人公はアメリカ人になるだろう。「THE JUON/呪怨」の様に舞台だけは日本という力技もあるが、おそらく大掛かりなロケが必要になる今作は素直にアメリカが舞台になるのではないか。また、配役の選択肢を広げる為に舞台設定もハイスクールではなく、大学のキャンパスか何かになりそうな気がする。
●主演俳優を妄想する
「THE JUON/呪怨」の大ヒット要因として、サラミシェルゲラーやビルプルマンといった配役の妙があった。やはり成功するにはスターの存在は不可欠。(役名は変わるだろうけど)泉新一役には、ずばり若き日のダースベイダー役でスターになったヘイデンクリステンセンなどはどうだろう?弱弱しさと内に秘めた野性的狂気を兼ね備えた感じがイメージに合いそうだ。
その他では、ロードオブザリングのイライジャウッド、デイアフタートゥモローのジェイク・ギレンホールあたりかなぁ。
●右か左か
ファンの間では有名な話だが、アメリカのコミックは逆開きなので寄生獣のアメリカ版も全ページ裏焼きになり、「ミギー」が「Lefty」になっている
日本の歩き方:番外編気力島の中段下あたりに実際の画像が紹介されている。)
しかし、映画では本来の「ミギー(righty?)」に戻るのではないか。right には「正しい」とか「権利」という意味もある。これらはこの作品のテーマに通じる重要な言葉でもあり、ぜひここは「righty」でいって欲しい。
●最も重要なエピソード
「寄生獣」の中のエピソードはどれも外せない重要なものばかりだが、2時間前後の時間的制約の中で作品を成立させる為に、多くのエピソードが削られたり、新しいエピソードが追加されたりするだろう。ただ、絶対にカットして欲しくないエピソードがある。新一が、母親の姿をしたパラサイトと自宅で遭遇する場面だ。このエピソードが作品から外されたらそれだけで駄作決定と言ってもいいくらい。
新一が背負う悲しみの象徴、そしてミギーと新一が本当の意味で「融合」する、一番重要なシーンになる。
●作品のポイントは「ミギーのリアリティ」
ハリウッドのCG技術がフルに導入されるというのは、この作品の映画化をイメージするのに不可欠な要素だ。そして、硬質化するパラサイトのイメージに近いものは、14年も前に既に「ターミネーター2」で実現できている。おそらく勝負は「ミギーの柔らかさ、不気味さ、愛らしさ」をどこまで表現できるかにかかっている。漫画の読者がイメージする「ミギー」をそのまま再現できなかったらこの作品は終わりだ。
「気持ち悪いけど愛らしい」「ウザイけど頼もしい」味方としてのパラサイトの存在がこの作品を「ただのCGスプラッター」から一歩進んだものにする。どこまで感情移入できるだろうか。
ターミネーター2から早14年。その間ハリウッドのCGがどこまで進化したのか、想像しただけでワクワクしてしまう。
ちょっと余談になるが、「寄生獣完全版」の第2巻に、当時のファン投書と原作者のこんなやりとりがあった。以下抜粋(強調は引用者による)。

投書:
「寄生獣」を映画化してください!ちなみに岩明さんスイセンのベスト1の映画は何でしょうか?

~以下略~
岩明 均(原作者)の返答:
映画というと、それぞれの良さがあってなかなかベスト1に絞れません。
ハラハラドキドキの退屈しないのが好きです。
最近見た中では「ターミネーター2」。変形するところが「寄生獣」みたいで面白かったです。
将来どっちが先だったか判らなくなって「寄生獣」がこれの真似だと言われたらいやですが。

岩明氏も連載当時からターミネーター2を意識していた様だ。ターミネーター2に出てくるT1000は「寄生獣」をヒントにしたという話もある。寄生獣のボスキャラ「後藤」が車を追うシーンは、ターミネーターそのままだ(あれは岩明氏の皮肉だったのかもしれないが)。
とにかく、いろいろな意味でターミネーター2と寄生獣は切っても切れない縁がある。
興味のある方は、”ターミネーター2 寄生獣”でググるといいかも。
清水崇氏の次回作は「THE JUON/呪怨」の続編だそうな。
「寄生獣」が完成するのは、2年後になるのか、3年後か。
とにかく、生きる楽しみが1つ増えた。映画館でミギーに会える日を楽しみに待つとしよう。

誰もが名も無き「大企業戦士」に支えられている

今日はある友人Tの話をしよう。
Tは、とあるメーカー系大企業で携帯電話のファームウエアを開発している。
私とTは同期入社だった。入社後最初の配属先が同じだった。当時、まだ携帯電話なんてものは無く、ある通信機器ファームウエアの開発部署だった。一緒にコーディングをし、一緒にデバッグをした。まだ新人で、右も左も判らない中で切磋琢磨しあい、二人とも急激にスキルを伸ばした。
Tは素晴らしいライバルだった。本当に「優秀」な男だった。数年後には、完全にファームウエアに精通した「プロフェッショナル」になっていた。インサーキットエミュレータでOSの中まで追いかけた。原因不明のバグも、タスクのディスパッチタイミングがわずかに狂っていた事を看破して解決してみせた。
やがて私とTは別々のプロジェクトに転属され、お互いプロジェクトリーダーになった。
このテの業務はどんなプロジェクトでも程度の差こそあれ、過酷だ。月の残業が100時間なんてのはまだ少ない方。プロジェクトが佳境になると平気で残業は月300時間を越えた。しかしモチベーションは高かった。自分の作ったものが、様々な形で社会のインフラを支えている自覚があったからである。
当然プライベートな時間は殆ど無い。世間のニュースにも疎くなる。仕事以外の時間は、寝ているかメシ食ってるかあるいは酒を飲んでるかしか無い、そんな生活だった。
私は既に退社しているが、Tは今でも過酷な業務を軽やかにこなしている。
大企業はTの様な企業戦士だらけだ。特に優秀な人間ほど業務の負荷は高くなる。CNETのニュースなど呑気に読んでいる暇は無い。自分のプロジェクトに関係の無い技術に関しては驚くほど知識が無い。しかし、間違いなく彼らは「優秀」だ。そんな名も無き企業戦士達の名前がマスコミに取り上げられる事は無い。ネットの情報の渦の中で取り沙汰される事も無い。
昨日、「大企業には優秀な人がたくさん埋もれている」という記事を目にした。以下、抜粋。

大企業には優秀な人がたくさん埋もれている。
優秀な人を一つのプロジェクトに集結すれば、簡単に他社を圧倒できそう
なものだが、そうはならない。

なぜか?

優秀な人をかかえた部の上司がその人を放したがらないからだ。
上司から見れば、優秀な人を一箇所に集めるのは不平等だ。
自分の部から優秀な人を持っていくなんてケシカランわけだ。

~中略~

本人のためにも社会全体のためにも。それゆえ志の高い優秀な人
はみな社外へ飛び出し、ベンチャー企業などで集結する。それが現在の
Google や Six Apart や「はてな」などの活力を生んでいるのであろう。

言いたい事は判らないでもないのだが、著者のたつを氏は大事な点を2つ見落としていると思う。
1つは、「優秀」にもいろいろな種類があるという事だ。ベンチャー企業に必要な「優秀」さとは違う種類の優秀さもある。
Google や Six Apart や「はてな」のような派手な企業だけが良い企業というわけでもない。
そして、もう1つは「優秀な人材を集積」した後に残る、幾多の「優秀な人材のいないプロジェクト」の存在だ。
大企業というのは、手掛けている事業がたくさんあるからこそ大企業なわけで。
大多数の社員を抱えているからこそ大企業なわけで。
そして、せっかく雇用しているのだから出来るだけ全ての社員に機能して欲しいと想うのが当然なわけで。
企業に、おろそかにして良いプロジェクトなど1つもない。おろそかにする位だったらとっくに撤退している。たつを氏は、「優秀な人材のいないプロジェクト」がどれだけ悲惨なものか、おそらく実感が無いのだろう。
笑わないプログラマの
「【軍曹が】携帯電話開発の現状【語る】」
「【軍曹が】携帯電話開発の現状【語る】(後半)」
という記事が以前話題になった。こういう開発現場の実態がテキストになる事はめったにない。なぜかと言うと、そんなテキストを書いている時間的余裕が無いから。そして、ここまで過酷なプロジェクトに関わってしまうと、それだけで消耗しきってしまうから。そういう意味で貴重な記録だ。
笑わないプログラマで赤裸々に語られたような開発現場も、1人の優秀な人間が投入される事で大幅に状況が改善される場合がある。関連部署に声高に最終仕様を通達するリーダー。流用元の不備を見抜いて早期に手を打てるリーダー。そんな人間が上層に一人いるだけで状況は一変する。1人の優秀な人間が、100人を救う場合が多々あるのだ。それが「大企業」だ。
今年の始め、Tと数年ぶりに酒を飲んだ。
Tは、わずかな余暇の時間を競馬に注ぎ込んでいる。Excel上で凝ったVBAスクリプトを組み、独自予想ソフトを構築してけっこうな利益をあげていると言った。
私が、
「そこまでやってんならAccess使えばいいじゃん」
と言ったら、Tは
「Access?何それ?」
と言った。
TはMicrosoft Accessを知らなかった。
私がBlogをやっている事も知らないだろう。もしかしたら「ブログ」自体知らない可能性もある。
それでもやっぱりTは「優秀」だ。
もしかしたら、はてなの伊藤 直也氏が使っている携帯電話には、Tの作ったコードが載っているかもしれない。

「絶対に荒れないブログ」機能案

最近は、ブログ「炎上」なんて事件が頻発してきましたね。

「CODE」が法なのだ。by レッシグ

コメンターのモラルになんぞ期待してはいけません。人間はおろかな生き物なのです。
重要なのは、いかにコメンターのモチベーションを下げるかに尽きます
というわけで今回は、深く考えたわけじゃないんでちょっと適当ですがw、ブログ主がどんなに非常識な事を書いても「絶対に荒れないブログ」を実現する機能を考えてみました。

(1)トリップ機能

まずは基本的なところから。2ちゃんなどでおなじみですね。なりすましを防ぐための簡易パスワードのようなものです。トリップは暗号ロジックで不可逆変換された文字列として表示されますので、第三者からはトリップの特定は困難です。コメント欄程度であれば、これでも十分効果はあるでしょう。
[追記]
fc2ブログでは既にトリップ機能実装しているようです。知らなかったorz

(2)輻輳制御機能

似たような機能はすでにあるかもしれませんが、これは1時間あたりに投稿できるコメントの数を設定してしまおうというものです。例えば、「10コメント/h」に設定すれば、バースト的にコメンターが殺到しても10件目以降のコメントは「もうしばらくお待ちください」て感じではじかれます。そうこうしているうちにコメンターのコメント意欲は下がります。荒れそうになったらこの値を「0.5コメント/h」くらいにすると効果てき面です。

(3)NGワード登録機能

まあ、これもわりと基本ですね。こういう機能は、「死ね」が「氏ね」になるだけだろ、という方もいますがひるんではいけません。イタチゴッコでもいいので、バシバシ登録しましょう。ありとあらゆる誹謗中傷語を登録しまくるのです!もう、コメンターが「どれがNGワード?」と悩むくらい登録すれば、コメンターのコメント意欲はどんどん下がります。がんばって!

(4)OKワード強制機能

これは、NGワード登録の発展形です。もっと積極的に「気持ちのいいコメント欄」を目指す人向けです。
「最高です」とか「勉強になりました」とかOKワードをあらかじめ登録しておきます。で、コメント内にOKワードが含まれていないコメントは全部はじかれてしまうというものです。
これはやりすぎると誰もコメントをつけてくれないという状況になりやすいので注意が必要です。

(5)プロバイダー照合機能

コメント欄に「プロバイダー申告欄」を必須入力にします。んで、リモートホストと照合して一致したものだけを受け付けるというものです。
IP詐称などはこれで事実上困難になりますし、プロクシ経由、あとリモートホストを特定できない書込みなどもできないでしょう。これでトレーサビリティはバッチリです。

(6)コメンター事前登録機能

これはMovableTypeなどでは実装済みですね。文字通り、許可するコメンターをあらかじめ登録できるようにするという機能。一見さんお断りな敷居の高いブログが実現できます。
これらに、既存のTypeKey認証なんかも組み合わせるとさらにいろいろな制限が可能でしょうね。いかがだったしょうか。これらの機能を実装したブログができれば、炎上などを引き起こす卑怯系コメンターを憎む方々のお役にたてると思うのですが。
今日の結論:匿名とか実名とか、あんまり関係なかったですね

ファイルローグ事件とは結局何だったのか

ファイルローグ裁判にて、被告である日本MMOの敗訴が確定して早3週間が過ぎた。
最近では(なぜか)ファイルローグの件がネットにおける匿名実名論議にまで引き合いに出される事もあり、この事件については一度きっちりと総括しておく必要があるかな、と感じていた。結局、ファイルローグ事件とは何だったのだろうか。個人的な所感を交えながら順を追ってまとめてみたいと思う。

●ナプスターの衝撃

ファイルローグ事件を語るとき、ナプスターの存在は避けて通れない。何を隠そう私もかつてはナプスターユーザだった。あれは2000年初旬だったろうか、初めてナプスターを使った時の衝撃は今でも忘れられない。まさに夢のサービス、一言で言うとナプスターは音楽愛好家にとっての『ドラえもんのポケット』だった。市販されていないものも含めて欲しい音源はほとんど探し当てられた。ユーザが3000万人前後と言われていたナプスターの最盛期である。
東芝EMIの記念イベントで一度だけ実現した「椎名林檎と宇多田ヒカルのデュエット」の音源なんかも手に入れた記憶がある。当時ジャッキーチェンの大ファンだった友人に頼まれて検索したところ、ジャッキーチェンが歌うレアな楽曲の音源が60曲近くヒットした。とにかくあれこれと検索するのが楽しくて仕方が無かった。そしてこう思ったものだ。(これなら有料でも全然かまわない。なんとしても合法的なサービスになって欲しい)と。当時、既にナプスターは全米レコード協会から著作権侵害で訴えられていた。世界中の音楽ファンが裁判の行方を注目していた。正直なところナプスターの立場は不利だったが、落としどころはあった。金銭面で原告側とナプスターの和解が成立して、あらためて許諾を得た上でナプスターが合法的有料サービスとして(サービスの質を落とさずに)生き残るのを願った。しかし結果は最悪。ナプスター側は10億円の和解金を用意したが原告側がそれをつっぱね、逃げ場を失ったナプスターは著作権付楽曲の自主的なフィルタリングを開始。結局13万曲以上の著作権付楽曲がフィルタリングされ、急速に魅力を失ったナプスターからユーザは離れ、ナプスターは事実上崩壊した。これが2001年の出来事である。

●ファイルローグの登場

2001年11月、日本で初の法人によるP2Pサービス、ファイルローグが登場した。運営は有限会社日本MMO。「中央サーバ」がインデクスを管理し、ユーザは専用のクライアントソフトを各自のパソコンにインストールする。まさに「日本版ナプスター」と言っていい内容だった。
ナプスターと違う点は「ノーティス・アンド・テイクダウン手続き」を実装した点。これはおおざっぱに言うと、著作権者がファイルローグに対して直接著作権侵害楽曲の削除を申し立てる事ができる窓口を用意した、というところか。日本MMOはこの「ノーティス・アンド・テイクダウン手続き」の実装を以って自社のサービスを「合法である」と主張したかったようだ。実際、サービス主体である日本MMOの松田道人社長がインプレスのインタビュー記事で自身そう述べている。

●あまりにお粗末だったファイルローグの戦略

正直言ってファイルローグは最初から戦略を誤ったとしか言い様がない。本気でこのサービスを軌道に乗せる為には、著作権者への事前根回しは必須だったはずだ。今もレンタルCDが合法サービスでいられるのは著作権者の許諾をとっているからに過ぎない。著作権ビジネスを巡るトラブル解決のカギは、単純化すると「著作権者のOKをいかに取り付けるか」に尽きる。ビジネス戦略としては、著作権者が納得できるインセンティブを最初に提示すべきだった。彼らはナプスターの失敗から何も学ばなかったと言われても仕方あるまい。「ノーティス・アンド・テイクダウン手続き」というのは、ぶっちゃけて言うと「文句があったら受け付けますよ」という意志表明でしかない。そもそも違法ファイルを事前にチェックする仕組みでは無いわけだから、一度は必ず違法ファイルでもインデクスされてしまうわけだ。著作権者側に歩み寄ろうという態度ではないし第一著作権者側に何一つメリットを提示できていない。しかも彼らの過ちはそれだけではなかった。以下は前述した松田社長インタビューからの抜粋。

― これまでに削除した件数はどのくらいですか?
松田:現時点で1件も申し立てはありません。申し立てがなければ法律的に問題はないとの認識です。レコード協会側は、「ノーティス・アンド・テイクダウン手続き」は不十分なものであるとの認識です。つまり、彼らは未然に違法なファイルが上がらないようにすべきとの主張です。一方、我々は「ファイルローグ」に上がっているものについて、著作権者からの申告があった場合に降ろすというスタンスです。この点で、食い違いが生じています。

なんと、サービスインから約3ヶ月(インタビュー記事は2002年2月20日付け)の間、自主的なチェックは一切行わず「申し立てが無ければ合法」という運営方針だったと社長自らが語っているのだ。そして申し立ては一件も無かったとも。つまり違法ファイルの削除は一件も行っていなかった。ナプスター崩壊の過程を考えればこれはあまりにも見通しが甘すぎた。ポーズだけでも違法ユーザへの取り組みをアピールできなかったのか。こんな運営スタンスでどうやって原告側との和解を勝ち取れると思っていたのか。これじゃあ素人目にも「まじめにやってるのか?」と疑問に思わざるを得ない。この時点でファイルローグの末路は決定的だったんだと思う。

●裁判のポイント

そして(案の定)日本MMOは2002年1月、JASRACと日本レコード協会から著作権侵害で訴えられる。ナプスター裁判の時と比較して日本MMOに期待できる点があるとすれば
(1).日本の著作権法はアメリカの著作権法と同一ではない事
(2).ノーティス・アンド・テイクダウン手続きの実装
の2点だろう。しかし結果的には(2)は被告を守る盾にはならなかった。(1)に至ってはむしろさらに被告に不利に働いたようだ。
結局、東京地裁判決において日本MMOは著作権侵害の主体とされた訳だがその法的根拠は以下の様な判断だったらしい。

電子ファイルを共有フォルダに蔵置したまま被告サーバに接続した送信者のパソコンは中央サーバと一体となって情報の記録された自動公衆送信装置(著作権法2条1項9号の5イ)に当たるということができ、その時点で、当該電子ファイルの送信可能化(同号ロ)がされたものと解することができ、上記電子ファイルが受信側パソコンに送信された時点で同電子ファイルの自動公衆送信がされたものと解することができる。

「日本の著作権法がさらに被告に不利に働いたようだ」と前述した理由は太字強調部分にある。自動公衆送信や送信可能化権に関する規定はアメリカの著作権法には無い。そのせいかナプスター裁判では、違法ファイルの受信者についての判断まで踏み込んでいる。日本の著作権法ではそこまで踏み込まなくても違法である事は明白だったと解釈できる。
ただ、この判決に疑問を呈する声もある。音楽著作権ビジネスに切り込んだ良書『だれが「音楽」を殺すのか』で著者の津田大介氏はこう語る。以下抜粋。

ナプスター裁判にこそ勝訴した音楽業界だが、その後のファイル交換ソフトを巡る裁判では、どこの国でも「ファイル交換ソフトそのものが悪いのではなく、ファイル交換ソフトを使って違法行為を行うユーザーが悪いのだ」という理由で負けている。海外ではファイル交換ソフトそのものを著作権侵害の主体と認定するケースは減ってきている。(最近ではほとんどない)。その意味で、ファイルローグの一審判決は、国際的な潮流から外れた判決だったと言える。

この津田氏の見解にはちょっと同意しかねる部分が正直ある。原告が敗訴している裁判はどれも「運営主体の無い」ファイル交換ソフトだからだ。中央サーバーが全てを仲介するナプスターやファイルローグとは分けて考えるべきではないか。ファイル交換ソフトの作者に相当するのはファイルローグで言うところの
「クライアントソフトを開発した者」「サーバシステムを構築した者」ではないか。「運用主体」とは分けて考えるのが妥当だと思う。
ちなみに「ソフト開発者に著作権侵害の責任を問う」考え方は、例えて言うなら「包丁使った殺人があったとして、包丁メーカーに殺人幇助を問えるか?」というのと同じくらいナンセンスに感じる。そういう意味で原告が敗訴した幾つかの裁判結果も妥当だと思うし、逆の言い方をすると「中央サーバー不在」のP2Pシステムは合法なビジネスモデルにはなり得ない。根本的にアンダーグラウンドから脱却できないアーキテクチャなのだ。対して「中央サーバー型」システムは、ビジネスモデルを目指した故の選択なわけで、そこにある程度リスクが発生するのもやむを得ないという事ではないだろうか。

●日米に共通する「原告」の過ち

裁判に勝ったからといってナプスターを訴えたRIAAやファイルローグを訴えたJASRAC,RIAJが賢い選択をしたとは全く思わない。むしろ最悪の判断だっと思う
あらゆる著作権ビジネスはつまるところ「複製ビジネス」だ。法的には、アマチュアが作った駄作も世紀の名作も同じ「著作物」に過ぎないのだが、ビジネス的には違う。多くの人が支持してこその「コピー」であり、駄作は誰もコピーしない。合法であれ違法であれ、「コピー」には必ずニーズがあり、あらゆるコピー行為はビジネスチャンスであるはずだ。著作権者が目指すべきは「複製の促進」であって「排除」ではない。問題はそこからどうやって対価を徴収するかであって、「複製の抑制」に取り組むのはマーケットの萎縮に繋がるだけではないか。CCCDを含め、著作権業界は何か勘違いをしている。
RIAAがもしナプスターと和解していたら…音楽業界は今頃もっともっと活力のある面白い状況になっていたのではないか。結局、音楽配信で現在リーディングになりつつあるiTMSの主体がAppleだというのも象徴的だ。

●ユーザの個人情報登録について

多くの方はご存知かもしれないが、ファイルローグ裁判で被告側の弁護を担当したのは小倉秀夫弁護士である。小倉氏はこの裁判の判決について言及するに、「ユーザに戸籍上の氏名および住民票上の住所を正しく登録させていないから過失あり」という論点をかなり重要視しているようだ。私が「ナプスター裁判との比較」という視点から抜け出せない為かもしれないが、ユーザの個人情報がこの裁判の主たる争点とはどうしても思えない。日本MMOがユーザの個人情報を正しく把握していれば裁判の結果が変わっていた??正直想像できない。それとも、裁判結果とは別の次元でこの判決の判断には問題があったという事なのだろうか。このファイルローグ事件における「ユーザ個人情報」については、はてなの住所登録騒動の時もはてな側の見解で引き合いに出されている。このあたりは後日あらためて考察してみたいと思う。
[追記]
ファイルローグとは、結局「ナプスターの亡霊」でしかなかった。P2Pのパイオニアとして、曲がりなりにも一世を風靡したナプスターに比べて、その崩壊後に立ち上がった後発としてはあまりに準備が甘かった。そういう意味では、ど素人がこういうのも僭越かもしれないが小倉弁護士にとっても酷な裁判だったんじゃないかと思う。ただ、この事件を以ってP2Pビジネスの目が無くなったとは思わない。音楽業界がその気になればいつでも「合法」になるのだから。「レコミュニ」の様な斬新なサービスが次々台頭してくるのを切に願う。※どなたか招待プリーズ!と言ってみるw
[参考リンク]
ファイルローグ判決文
ファイルローグ裁判、日本MMO側の敗訴が確定
ナップスター事件とファイルローグ事件の比較

「悪魔の証明」を求める弁護士

IT系のメジャーポータルサイト、Hot Wired Japanの連携Blogである、小倉秀夫氏のBlogがなんだか妙な雰囲気になってきてる。
謳い文句としては、

”ますます急増するネット紛争。さまざまなインターネット事件を手がけた弁護士によるネットと法の現在と行方”

となっているんだけど、なんだか最近は随分とそのテーマから話題が離れまくり。
件のNHK政治介入+朝日捏造疑惑問題が報道されて以降、頻繁にこのテーマを取り上げてはご自身の左寄りスタンスからの発言を繰り返し、その一方で朝日批判派のコメントは「ネガティブキャンペーンの押し売り」と断じた上で一部の常識的な批判を容赦なく削除していて、その雰囲気がなんともメジャーポータル系列に似つかわしくない。2ちゃんねるの市民運動観測所スレからも注目されてる模様。
NHK騒動でも多くの弁護士さんが「市民運動」と称して活発に活動してますが、これはアレですかね、常日頃「検事」と対決する事を生業としている事からくる一種の職業的傾向なんでしょうか。
この小倉氏のBlog上で2月8日のエントリーについていくつかコメント欄で質問を投げたんですが、中川氏について

(小倉氏)現職の大臣であれば、放送日前に会わなかったことを積極的に証明できそうな気もするのですけどね。

という、悪魔の証明を求めているととられても仕方ない返答も飛び出して、驚いたり。
なんか、もうちょいっと冷静になった方がいいんじゃないっすかね。見てて危なっかしいというか、面白いというか。w
あまり感じのいい内容じゃないのは自覚してますが、試しにこのエントリーTB送ってみます。削除されるのかな?