カテゴリー
WEB

堀江被告送金指示メールがガセだと思う4つの理由

このニュースを最初に聞いたとき、直感的におかしいと感じた。
直感的と言ってもそれなりに根拠はある。とにかく、冷静に考えれば考える程この件はおかしな事だらけだ。要領を得ない民主党の言い分も含め、ツッコミどころ満載。
とりあえず思いつくままに列挙してみよう。

1.そもそもなぜ「メール」なのか

この疑問が私の中では一番大きいし、この1点だけでこれが「ガセ」だという確信に近い思いがある。
私自身、業務で頻繁にメールを利用しているが、その利点は言うまでも無い。「言質が残る」という点である。メールで残しておけば、後になって言った言わないと揉め事になる事が無い。逆に言えば、言質を残したくないやりとりにメールを使う事は個人的な感覚から言ってちょっと有り得ない。
自分が送信メールを削除したところで、相手には残る。万が一削除し忘れるリスクも考えれば、電話の方が遥かに安全だし理に適っている。
自らメール活用本を書き、電子メールの仕組みも熟知しているであろう堀江被告がその特性を理解していないはずがない。
表に出せない多額の金の受け渡しをメールで指示して銀行振り込み??
トレーサビリティ高すぎwww。
平均以上の知能があれば、指示は電話もしくは直接口頭、受け渡しも現金の直接授受だろう。

2.「関係者」など存在し得るか

報道によれば、民主党永田議員は記者会見で情報入手先に関して
「関係者からある記者を通じて入手した」
と発言している。
ちょっと待った。ライブドアの社外秘文書などであれば話はわかるがこれはメールである。私信である。基本的に送信者と受信者以外の目に触れる事は無いはずだ。メールの内容を考えればなおの事。それともライブドアは上司や同僚のメールを自由に閲覧したりプリントアウトしたり出来るほど超オープンな会社だったのだろうか。
プリントアウトの内容を見てもスニッフィングされたものなどではなく、明らかに「受信メーラ」から印刷したもの。「とりあえず関係各位にもカーボンコピーしておくか」なんて内容のメールではないのも明らかだ。そもそも、堀江被告とその側近のPCはとっくに検察特捜部が根こそぎ押収している。
そう考えていくと有り得る可能性としては、「関係者」=「メール受信者」で、その人物は3000万もの多額の裏金の送金を指示される程堀江被告から信頼され、東京地検特捜部さえその存在に気付かないほど表舞台に出ていない人物という事になる。そんな人物がなぜか危険を顧みず「ある記者」を通じて民主党に接触してきたのだろうか??

3.なぜ「X-Sender」「X-Mailer」が黒塗りなのか

民主党が公開したメール内容のpdfがこちら
なぜか「X-Sender」「X-Mailer」が黒塗りになっている。報道によれば、永田議員が入手した時点で最初の3行はすでに塗りつぶされていたらしい
て事は。
まず大きな問題として、民主党はこのメールを紙ベースでしか確認していない事が判る。しかも最初から「X-Sender」「X-Mailer」が黒塗り。もうなんと言って良いのやら。既に眉は唾でベトベトだ。
だいたいX-Sender やX-Mailerの様な「メールヘッダ」情報を隠す意味が全く判らない。思い当たるとしたら、そこに「ガセである証拠」がある事くらい。
メールヘッダ一覧 を見ていただければ判るが、X-Sender(Senderと同義と考えて良い)は「実際の」差出人のメールアドレス、X-Mailerは使用したメールソフトの情報だ。経路情報ならまだしも、「実際の差出人アドレス」と「使用メールソフト」が何故か黒塗りなのだ。メールヘッダー情報は機械的に付与される情報なので、受信者の特徴などが読み取れるはずも無い。
差出人アドレスが隠されているのは、そこに堀江被告のアドレスが記載されていないから。メールアプリケーションが隠されているのは、そのアプリケーションを堀江被告が使っていない可能性があるからだ。そうとしか考えられない。それ以外の理由が考えられるなら是非教えて欲しい。

4.本当に情報提供者に身の危険が迫っているなら即刻公表すべき

仮に民主党の主張が真実だったと仮定しよう。
メールの文面に「前回振り込んだ口座と同じ」という記述があるのを見ても、指示を受けた人物は、継続的にこの手の仕事を担当していたはずだ。そして「シークレット・至急扱い」な仕事に関与する人間が大勢いるとも考えられない。
だとすれば、いくら名前を塗りつぶしたところでそのメールが公表された時点で誰が裏切り者かは当事者間ではバレバレだろう。
現に永田議員も「情報提供者が脅迫されている」と証言しているのだから間違いない。
つまり、現在「民主党への情報提供者」が誰なのか、「危害を加えようとしている者」だけが把握している状態なのだ。危険この上ないし、最早情報提供者を隠蔽する理由は無い。むしろ、情報提供者が誰なのかを公表し、世間の注目を集めた方が「危害を加えようとしている者」は手を出しづらくなる。
公表した上で警察に保護を求めた方がよっぽど安全だ。今のままだと、その情報提供者に万が一の事があってもマスコミや世間はその事に気付く事ができない。
民主党は、取り返しのつかない事態が起きてから公表するつもりか?そんな事になればそれこそシャレにならない大失態のはずだ。
要するに、民主党の言い分は全く理に適っていないのだ。
テレビの報道をちらっと見た限りでは、他にも
「シグネイチャが通常の堀江氏のメールと違う」
「文面が堀江氏の文章っぽくない」
といった指摘もされているようだ。
小飼 弾氏も同様の指摘をエントリー で書かれている。
もしかすると今後新たな展開があるかもしれないが、上記4つの疑問が解明されるかよく見極める必要がある。その可能性は極めて低い気がするが。


[追記]
2ちゃんねるを見てみると、いろいろ面白い指摘があった。しかし、ちょっと捏造の証拠として弱い気もする。essaさんも既に取り上げているが、指摘は主に4点。

  • 堀の中の出の部分が違う。掘のと一緒。
  • メーラーの行揃えから考えると頭になにか文字が入ってる可能性は低い→掘の字確定
  • X-Senderのeとrが何故か全角に。偽造確定。
  • Eudoraで、To:> From: の順になるのは、Mac版だが文面フォントはwinのMSPゴシック。

これ以外に、シ―クレットの「―」が「ー」じゃないなどの指摘もあった。
これらの指摘が証拠として弱いと判断した理由は、元コピーの歪みにある。
あらためてメールのpdfを画像にしてみた。
メールプリントアウト画像
よく見ると、上の罫線が傾き、直線がかなり歪んでいることが判る。これはおそらくFAXされたものだ。
直線がこれだけ歪む様なFAX文書を元に、「堀」の造りの微妙な凹凸や、プロポーショナルフォント「e」の半角全角を見定めて断言するのはちょっと危険だ。
もちろん「ガセ」だという結論は異議なしだけど、どんな情報も冷静に検証する必要がある。
ただ、最後の署名で「堀」の左半分が消されてるのは、明らかに違和感があるし、その点については誤字である可能性は高いと思う。EudoraのMac版だという指摘も唸った。こういう時の2ちゃんはスゴイというのは同意。

カテゴリー
WEB

東横イン不正の「本当に悪質な」部分

東横イン不正問題に関しては、テレビも新聞も多くは見ていないので印象だけで語ってしまうが、この問題は、社長の横柄な記者会見などが火種となってバッシングの度が強まってるっぽい。
で、報道とかをざっと斜め読みした限り、
「東横インは身障者用の客室や駐車場等を一般客室等に改造して、弱者切捨て、行き過ぎた利益追求に走った」
という論調で、「法律違反」そのものよりは、そのモラルの低さが叩かれている印象がある。
で、ここで言われている「利益追求」とは、「年に1、2度しか使われない」身障者用客室や駐車場を回転率の良い「一般客室」に改造する事で得られる「利益」と理解していた。
しかし、どうやらこの問題には別の側面があるっぽい。「法律違反」そのものがが利益に直結していた可能性がある。そして、それが事実だとすればそちらの方がはるかに「悪質」。
内閣府のWEBサイト の「バリアフリー化推進」という項に「バリアフリー化推進に関する事項別施策調べ(税制・財投関係)」というページがあった。気になる部分を以下抜粋。

人にやさしい建築物整備事業

ハートビル法に基づく認定建築物、ハートビル法の基礎的基準を満たす特定建築物に対して、
日本政策投資銀行による低利子融資を実施する。

認定建築物に対する税制上の措置

昇降機を設けた2,000m2以上の認定建築物(新築、増築、改築)について割増償却(10%、5年間)
の適用を可能とする
。(租税特別措置法第14条の2、第47条の2)

つまり、ハートビル法の基準を満たしていると認定された建築物に対しては、低利子融資優遇税制などの、直接的なインセンティブがある、という事。
こういう視点からのツッコミが報道ではあまり見られないので、情報不足であまり断定的な事は言えないが、こういうインセンティブの恩恵を東横インが享受していたとすれば、これ単なるモラルの問題ではなく、かなり「詐欺的性質」が強い不正ではないか。
少なくとも、「60km制限の道を68kmで走った」なんて類の不正じゃない。
報道各社には、もーちっとそういう視点から鋭いツッコミをして欲しい。(て、私が見てないだけかもしれないけど。実際のところどーなんだろう。)

カテゴリー
WEB

音極道茶室は世界初のオタク系SNSだった

「悲しいとき」ミクシィ編 がネットランナー1月号の「ローレゾくん」に載ったよ!!
感謝感激だよ!!
こんな感じだったよ!↓
netrun.gif
あれ?
でも、これホントにウチのブログなのかな?知らないアドレスだよ。拡大してみたよ。
netrunurl.gif
http://otaba.jp/
もしかして、これが音極道茶室の正式なURLだったのかな!?Σ(゚д゚lll)
知らなかった!
自分のブログの正しいアドレスを知らなかったなんて!恥ずかしいよ!
というわけでアクセスしてみたよ。(・∀・)
otabatop.jpg
えーっと、
『Otaba 世界初オタク系SNS』!??
マジっすか!オイラおたくなんだろうか!?自信無いよ!つか、ここウチのブログじゃないよ!
あ、そーか!きっとこの中に音極道茶室があるんだ!
くそー中見てみたいなー。くやしいなーーー。誰か招待してくれねーかなー。
と思ってよく見たら、「新規登録」ってボタンがあったよ。クリックしてみたよ。
そしたら、なんと自分で入力したアドレスに招待状が届くって!!超やさしいね、Otaba!!ユーザーのニーズに応えてる!!
メルアド入力してクリックしてみたら、ひろたつさんっていう知らない人から招待状が届いたよ!!
速攻で登録しちゃったよ!!
性別の選択肢が、「オタク/男性/女性」の三択だったよ
otaba2.gif
ぐっじょぶだよ!馬淵なみだよ!
オイラはもちろん「オタク」を選んだよ。オタク系SNSなんだから当然だよね。
とゆーわけで、オイラもオタクの仲間入りだよ!
みんなも登録しよう!→クリック
「音極道J2」ていう名前で検索してみてね。マイオタ申請も気軽にね!!
ヲタク初心者だからやさしくしてね!!!
つか、何のエントリーだったか忘れちゃったね!

カテゴリー
WEB

ロンドンのストリートファッション

fpict1_cmp.jpg
fpict4_cmp.jpg
fpict5_cmp.jpg
fpict3_cmp.jpg
日本にもこのムーブメントが来る日は近い。

カテゴリー
WEB

過去ログにもっと光を

ちょっと前の話になりますが、9月3日に書いた『著名ブログの「最初の記事」を集めてみた』というエントリーが、予想外の大きな反響をいただきました。特にはてなブックマークでの44USER (9/22現在)というのは私にとっては大事件でした。このエントリーを取り上げてくださった全ての皆さんにこの場を借りてお礼申し上げます。
最近は膨大な情報発信者がいるせいか、ネット上のコンテンツの消費サイクルが異常に速いな、と感じます。はてなブックマークで大人気になったコンテンツでも、一週間経てば「過去」に追いやられる。で、皆RSSリーダーなどに依存しているからその傾向に拍車がかかる。情報の絶対量が多すぎて、「新着差分」という上澄みを追っかけるだけで汲々としてしまうわけです。
でも、それってすごく「もったいないなー」と。
過去のコンテンツを拾い上げるのは現状ではもっぱらGoogleの仕事ですが、「検索」はあくまで「キーワード指向型」の世界観で、過去を掘り下げるというよりは時間の観念が無視されているといった方が近い。ネットでは「時間軸」が軽視されてます。
翻って、既存メディアの代表格テレビに目を向けると、「昭和の名曲ベスト100」だったり「思い出のアニメ100選」みたいな特番もの、ケーブルテレビに至っては「ジャンボ鶴田vsミルマスカラス」だとか、1980年の「巨人vs阪神」だったり、「バイオニックジェミー」「子連れ狼」「ドリフの大爆笑」などなど、「過去のコンテンツ資産」がメインと言ってもいいくらい溢れかえってます。まあ、テレビの場合は慢性的なコンテンツ不足もあるでしょうが、やはり「過去」には根強いニーズがあるんです。
そういう意味で、今回の「最初の記事」企画がきっかけでARTIFACT -人工事実-さんの最初の記事が今になって、「注目のエントリー」 に上がってきた時は思わずニンマリしてしまいました。(kanoseさんからすればいい迷惑だったかもしれませんが…スミマセン)
テキストサイトがブログに移行してきて、過去ログ漁りは昔より遥かに簡単になりました。CMSとしてのブログは、過去のアーカイブをPermaLinkとして整然とストックしてくれる。この恩恵を積極的に利用しない手はありません。ネット上にあまた埋もれている過去ログは「宝の山」です。
これからも「過去ログにもっと光を」をテーマに試行錯誤していこうと思います。
以上、「最初の記事」エントリーの反響を受けての雑感でした。

カテゴリー
WEB

2つほど絶賛

●絶賛その1

井上雄彦は、世界で最も成功したコンテンツクリエイターの一人だと思う。最近連載が再開した『バガボンド』は史上最速で3000万部を突破。スラムダンクの発行部数は国内だけで累計1億冊を突破した。
その「世界で最も成功したクリエイター」が「世界で最も幸せなクリエイター」になった3日間の記録がある。
sd10advd.jpg
いや、参った。いいもの見せてもらった。これを見て泣けないヤツはクリエイターじゃない!とまで言ってしまおう。井上雄彦。ホントにあんたは幸せだ。そして、あんたにはその資格がある。
何の為に作品を作るのか。その答えがここにある。
もちろん純粋な「スラムダンクファン」でも楽しめる作品だろう。でも、これは「コンテンツの担い手」にこそ見て欲しい作品だ。このDVD、Amazonで売ってないのな。オフィシャルサイトじゃあWEB限定とか書いてある。でも、自分は「本の岩本」で買いますた(全国紀伊国屋等でも売ってるみたい)。

●絶賛その2

圏外からのひとこと』という著名なBlogがある。そこで4日ほど前に書かれた「冷戦構造を記憶する音楽」という記事に痺れた。
そうそう、ラシアンズだ。スティングの曲について語るときにラシアンズが取り沙汰される事はそう多くない。しかし自分の心にも確かにこの曲が「冷戦構造の記憶」として強烈に残っていた。でもそれを自覚してなかったな。指摘されて思わず膝を打った。
こういう視点から「音楽」が語られる事は珍しい。、それ故このテキストを読んだ時、新鮮な感動があった。
「ラシアンズ」はスティングが最も得意とするハーモニックマイナーの憂いを帯びた旋律が、とりわけ重たいアレンジと相まってなんとも言えない重苦しさを醸しだす。自分の中ではスティング作品の中でベスト3に入る曲だ。久々に「ラシアンズ」が聴きたくなった。
で、さらに過去ログを見ていたら、essa氏がユーミントリビュートでの椎名林檎「翳りゆく部屋」に言及していたのを発見。
こちらの内容も唸らされるもので、ほぼ全面的に同意。んーー、プログラミングやWEBテクノロジーについて素晴らしい記事を書いていたessa氏がこんなに素晴らしい「音楽ライター」だとは思わなかった。
というわけで久々に「翳りゆく部屋」も聴きたくなった。
[ASIN:B00002ZZXV:detail]
6月7日~6月8日の2日間、ネットから離れていたせいで、オグリンサーカス激動の2日間に完全に乗り遅れてしまった。後追いで情報収集はしたのだが、まだちょっと焦点が合わない。
いずれ整理してエントリーしたいと思う。

カテゴリー
WEB

MovableTypeに2ちゃんねる風トリップ機能を追加

前エントリーで言及していたトリップ機能。
ニヤリの和尚さんがやっちゃってくれました。仕事速いよ和尚!GJ!!
話はちょっと逸れますが仕事が速いというのは、優秀なエンジニアの最大の証明です。仕事の速いエンジニアで、その中身がグダグダというのは不思議な程稀です。むしろ時間を掛けすぎる人の方が問題点を複雑に考えすぎて作ったものもわけがわからなかったりします。仕事が速いエンジニア、それは「使える男」の証明なのです! と、このくらい褒めておけばいいかな(何が?)。
とりあえず和尚のエントリーに従って修正加えてみました。このエントリーはしばらくテスト場と化しますがお気になさらずに。コメンターの方もいろいろ試してみて結構です。
エントリーにいろいろ追記するかもしれませんし、コメントは一部整理するかもしれません。あらかじめご了承ください。
和尚の修正から、できればさらにカスタマイズしてみようと思っていますが、とにかく和尚様、ありがとうございました。

カテゴリー
WEB

AdobeにFlashの夢が見れるのか?

finalvent氏R30氏が相次いでAdobeのMacromedia買収について言及したのはちょっとした驚きだった。それにしてもお二人とも引き出しが多いというか、必ずしも得意分野じゃないであろうこの話題で、これだけ読ませられる筆力というのは素直にすごいと思った。
しかしながら、お二人とも肝心な所に全く言及してくれてない。これじゃなんだか寝覚めが悪い。一言口を挟まずにはいられなくなって脊髄反射的にエントリーを起してしまった。
そもそもAdobeはMacromediaの何が欲しかったのだろうか?Dreamweaver? ColdFusion? Contribute?? そんな名前が出てくるはずがない。Macromediaと言えばFlash以外に無いではないか。この点に関して疑念を挟む余地など無いはずだ。
にも関わらずfinalvent氏、R30氏ご両名とも「swfはデッドエンド」の一言で片付けてしまう。その上でfinalbvent氏は、「SWFのベクターグラフィックスの部分はSVGに統合されるべき」と言い、R30氏は「フロンティアがむしろその背後のXMLフォーマットの領域にある」と言う。
そこは違うでしょう、と声を大にして言いたい。Flashの最も優れた部分を生かさないで何のための買収ですか。
swfはデッドエンドってのがそもそも大きな間違いで、リッチメディアコンテンツ、もっとはっきり言ってしまえばFlashVideoこそMacromediaの最大のアドバンテージであり、今後Microsoftとの主戦場となる領域だ。
ブロードバンド環境における動画再生環境として、FlashPlayerとWindowsMediaの差はFlashVideoの登場によって決定的になってしまった。
FlashPlayerはプラットフォームに依存しない、WEBと動画を完全に一体化したコンテンツを提供できる、メディアソースファイルをユーザから隠蔽できる、などあらゆる面で優位に立っている。リンクをクリックするとプラグインのPlayerソフトが立ち上がる時代が終わろうとしているのだ。Microsoftもこのままで終わるとは思えないがとりあえず現状ではFlashVideoという新しいソリューションがWEB業界に新風を起しているのは間違いない。
SVGの表現力では現状のFlashには足元にも及ばない。XMLこそがフロンティアと言われてもそこにMacromediaが入り込む余地はあまり無い。SixApartとの提携でほとんどは事足りている。
Adobeが今回の買収をプラスに転換できるかは、Macromediaが描いてきた[リッチメディアコンテンツプラットフォームとしての]Flashの夢を引き継げるか否かにかかっている、と思う。全世界的な『ブロードバンド時代』はすぐ目の前だ。

カテゴリー
WEB

人権擁護法案ファイナルアンサー

ちょっと長いです。今回は前エントリー『人権擁護法案ポジションMAP』の続編であり、かつ人権擁護法案についての自分なりの総括です。
拙ブログにて反対運動に辛口エールを送ってからかれこれ2週間が経過したわけですが、正直もうエールなんか送ってる場合じゃないっすね。『感情的拒絶派』がここまで「サヨク的」だったとは予想外、というか予想をはるかに超えちゃってました。
当初反対派が叫んでいたこの法案の「恐ろしさ」についてはもう「客観的分析派」の皆さんがほぼ論破し尽くしてる感があります。
人権委員会の選定手続きはとりあえず国務大臣よりは厳正だし、人権委員会に警察以上の権限があるなんてのも明らかな誤りだし、人権の定義が曖昧なんてのも現行法の侮辱罪やら名誉毀損の方がよほど曖昧じゃんって話でほとんど決着済みです。もちろん議論の余地はたくさんあるにせよ、少なくとも「法案提出さえも断固許せないほどの悪法」である論理的根拠は既に失われているわけです。
またまたBewaad氏の引用になり恐縮ですが、『人権擁護法反対論批判 後編下』における西尾幹二氏への批判が、感情的拒絶派の法解釈のお粗末さを象徴的に表してます。以下抜粋。

一読しかしないからこんなテキストになってしまうのですよ(笑)。法律の専門家にアドバイスを受けつつ、何回か読んでください。

この一文は、「法律の専門家なら誰だってこんな誤読はしない」という事を暗に示唆している重要な指摘です。そしてそれを裏付けるように、こういった「誇大妄想」に与する「法の専門家」というのは今までのところ実際見当たりません。
少しくらい誤りを認めても反対運動はまだいくらでもやりようはあると思うんですが。
というか、専門家の意見はむしろ積極的に取り入れた方がいいと思うんですが。
なんで論点ずらしにやっきになるか、完全スルーするか、のリアクションしか無いんでしょうね。
そういうやり方は
”元記事の正当性を証明できないのに「問題は政治圧力があったかどうかだ」と論点をずらして非を認めない朝日新聞”
と同じくらい見苦しいという事は自覚して欲しいと思います。
と、ここまではいささか辛らつな内容になってしまいましたが、正直『感情的拒絶派』に対して理解できる部分もあります。
結局彼らは解同、創価学会、総連といった見えないモンスターに恐怖しているわけです。なぜ「見えない」モンスターかというと、言うまでもなくマスコミが報道をタブー視しているからに他なりません。
筑紫哲也が「屠殺場」発言で1年の長きにわたって苛烈な糾弾に晒され続けた事件や、最近では拙ブログで取り上げたサンデープロジェクトでの間抜けな謝罪劇がありました。
創価学会に関して言えば、公称350万部の聖教新聞、80万部の公明新聞、その他多くの出版物の印刷の発注、広告出稿を通じて、大手メディアは進んで創価批判の自主規制を敷いていると言われています。利益誘導型タブーというヤツですね。
結局一般庶民は一部ジャーナリストの著作やネットの情報を頼りに、見えないモンスターの全貌を想像する以外にない。見えないモノについていくら議論しても噛み合わないのは当然です。
このあたり、plummet氏の指摘が的を射ている気がします。『ちょっとだけ主張の向こう側が見えてきた?』より以下抜粋。

なんてことを書いている俺も、実は「叩くなら差別利権だ、そこしかない」とかつて書いていたりする。んが、それだって確定的な証拠があってのものだからなぁ……誰それが推進しているからこれこれの目的があるに「違いない」って段階で陰謀論めいてて信頼性ないし。対案・修正案の方向に持って行けばという気がしないでもないが、そっちへ行かなかった……
 利権を理由に反対するなら、過去の差別利権行為にまつわる証拠とか持ってこないとねぇ……まぁ難しいよなそれは。

結局、こういったタブーの殻を打ち破って新聞やテレビが当たり前に解同や創価の(批判含めた)報道をバンバン出来るような環境になれば、ここまで過剰な「感情的反対論」は起こらないと思うわけです。つまりこの反対運動は一般庶民の「よくわからんけどオカシイと感じる”直感”の発露」だと。
というわけで、私が前から主張していた『人権擁護法案時期尚早論』に繋がります。まともな「人権論議」が出来るようになるには、もう少し社会が成熟する必要がある、と思うわけですな。ここまで巨大な「タブー」を抱えた国など欧米には無いわけですから。
人権擁護法案を素直に読めば、そのコンセプトを一言でわかり易く言うと
「これまで放置されてきた(現行法においても)不法行為と見なされる人権侵害を、見過ごさない体制を作る」
という事なんだと思います。この解釈に異論は無いですよね。
で、この法律が施行された場合、やはり最も有効に機能する場所に「ネット」があるわけです。確かに目に余る誹謗中傷や差別発言が溢れているのは事実ですから。そして人権委員会が何件かの悪質な「ネット発言」を勧告・公表に踏み切った場合、それが見せしめとなってある程度ネット全体が「萎縮」するのは容易に想像できます。さて、今の法案推進派の中で、このネットに対する「牽制効果」を喜ばない勢力があるでしょうか?
「解同」「創価」「総連」「民主党w」「マスコミ」に至るまで、現状の「ネット」を快く思っていないのは自明です。この点に関しては利害が一致するわけですよね。結局小倉弁護士がこの法案について語った

はっきり言ってしまえば、人権擁護法案での差別規制が導入されて困るのは、匿名の陰に隠れて特定の者に人種差別的な表現を投げつけて嫌がらせをしている人たちや、匿名の陰に隠れて特定の人種等に対する憎悪を煽ってその者たちに対して差別的な処遇をするように呼びかけたりしている人たちだけではないかと思われます。

という一文が最も的確にこの法案を言い当てていたのかなと今更ながら思います。そこは今となっては同意しますがしかし….
一方で、今の日本の「タブー」を打ち破る原動力もネット以外に考えられないわけで。そう考えるとやっぱり結論としては「時期尚早論」に戻っちゃうんですな。逆に人権擁護法案が今通っちゃうと、この「タブー」がさらに末永く続いてしまう可能性が高まってしまいます。うーんやっぱり順番逆。人権法案は後。
このあたりの主張をいくらか補強するネタを一つ。民主党江田五月議員が2001年の解同定期大会で発言した内容。(江田氏のメールマガジンバックナンバーより)

「部落差別に関するインターネットの書き込みは、許せない人権侵害です。一日も早く、独立した人権救済機関を設置し、こうした事態に対処できる仕組みを整えなければなりません。国内でも国際社会でも、法と正義を実現する新しい仕組みを作る時です。ピンチをチャンスに変えましょう。」

前回の法案提出の時から、インターネットはターゲットの1つだったわけですね。
最後に、この法案が可決しちゃったら、の話。
まあ、通っちゃったらそれはそれでそれほど悲観的になる事もないと思ってます。そのあたり極東ブログさんがうまい事おっしゃってますので抜粋。

私は、この手の危機感に、どうにも拭えない違和感がある。
 その違和感の核心は、私は思うのだが、悪法が成立したら、そんなもの、シカトしてやればいいじゃん、ということ。

御意。今だって70万人が放送法をシカトしてNHKに抗議の意を表明してますね。
海老沢だって、国民に罷免権なんてなくても事実上世論が引き摺り下ろしたわけです。
国民年金法だってシカトされまくって国民の4割が未納だし。
まあ、単純に比較できないかもしれませんが、例えば。
万が一、香ばしい人権委員会が構成されて、アホな勧告を乱発して国歌斉唱を普通に指示した学校の校長先生やらが勧告公表された場面なんかを想像してみましょう。
そんな時は、公表されちゃった人にはみんなでFAXやらメールやらで「GJ!」とでも激励してあげればいいわけですね。
そんで、人権委員会に世論が大ブーイング突きつければいいんですよ。法律なんかより、「世論」のプレッシャーの方がはるかに強いんですから。
人権擁護法案の反対集会は今日でしたね。まあ、今後も紆余曲折あるとは思いますが、私の主張はここから大きく変わりそうもないのでとりあえずここで一段落、とします。

カテゴリー
WEB

小倉氏がカミングアウトしました

昨日取り上げたばかりの弁護士小倉秀夫氏のBlogですが、思いの外早い展開を見せてます。
最新のエントリ「カミングアウトして下さる方を求む」では、以下の様に述べています。

 ところで、少し前くらいから「ネット右翼」というテクニカルタームが日本のインターネット事情を語る上ではしばしば用いられます。そのサブカテゴリーとしては、様々な「嫌○○厨」と呼ばれる(○○の中にはそれぞれの集団が忌み嫌う対象が入る。)グループがいるようです。「ネット右翼」と「ネットを活用する右翼」とは私的にはちょっとずれがあるような気がするのですが、その違いを私はまだ言語化出来ていません。
 
 「ネット右翼」の正体については、様々な推測はなされているのですが、信頼の置ける一次情報がないので、よくわかっていません。しかし、現在の日本のネット社会において重要な役割を演じている「ネット右翼」の実態を、現在の日本のネット社会を語る我々が全く把握していないというのは、それはそれで問題です。どういう性別の、どういう世代の、どういう経歴の方が、何をきっかけに、何を目的として活動をしているのか、ネット上での「政治活動」にどれくらいの時間を使い、それ以外の時間は何をしているのか、スポンサーはいるのか全くのボランティアなのか、「ネット右翼」同士ではどのような交流があるのか、家族や友人は自分が「ネット右翼」として活動をしていることを知っているのか、知っているとしたらどう思っているのか等基本的なことを私たちは全く存じ上げていません。

この発言自体「ネット上の現状分析がまったくできてません」という壮大なる氏のカミングアウトであり、個人的には、なぜまったく議論が噛み合わないのか、すべて氷解しました。これはこれで素晴らしい事ですね。よくぞカミングアウトしてくれました。ネット右翼はテクニカルタームですか。「嫌○○厨」がそのサブカテゴリだったとは。素晴らしいご推察です。
小倉氏の脳内に巣食う「ネット右翼」の妄想が、ネット上のあらゆる事件・事象・個々の発言を曲解させている元凶だったわけですね。というか、読めば読むほどすごい文章だな、これ。。。。
私がコメント欄でいくら力説しても、的外れの答えしか返ってこなかったのも納得です。
「ネット右翼」という単語自体が、すでに大きな誤解を内包した言葉です。あえて正確に表現すれば、
”ある特定の方々から見た、自分達とは異質な人々の総称”
でしかありません。しかも多分に偏見・差別的ニュアンスを含んでおり、到底この言葉をもって説得力のある客観的な論理を構築する事はできないでしょう。
そして、その「異質な人々」を正しく理解したいと思う場合、「リベラル」と「反日」の違いを正確に把握する事が大前提になります。
小倉氏は「左寄りでもしっかりした現実認識と論理を持った人」と思っていたので発言内容そのものについてはちょっと残念ですが、今回のエントリーはとても意義あるものと感じます。今後の小倉氏の対応次第では、とても良いケーススタディになるのではないでしょうか。
※追記:小倉氏のその後のエントリーによって淡い期待は見事に裏切られました。今後の展開は予断を許しませんね。てゆーかもうどうでもいいです。
※さらに追記:はるかに想像を超える小倉氏の発想力とすれっぷりに周囲がついていけてませんね。氏には切込隊長氏を巻き込んだという事の意味さえ自覚していないようです。しかし、最初から実名Blogである事や、HotWiredタイアップという立場上、逃走の可能性は低く、着地点には興味があります。別の意味で良いケーススタディになりそうです。
今回のエントリに対して、コメントには(言葉遣いはともかく)意外と真摯なものが多いので驚いています。小倉氏に対する期待の裏返しなんでしょうか。これは個人的には「祭り」でも「炎上」でもないと感じます。いや、微妙かな。
追記:NHK朝日問題に関する小倉氏の発言について、初期の火種であるコメント削除を受けた当事者である若隠居さんが今回の件について発言していらっしゃいますのでリンクします。
若隠居の徒然日記
P.S.個人的には、小倉氏がこのままHot Wiredの冠なんかつけてていいのかな、とちょっと思います。というか、冠は絶対にはずすべきです。