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社会・政治

総選挙前におさらいしておきたい言葉の断片

投票日まであと2日。
メディアでは与党勢力有利と伝えているが、実際のところは蓋を開けてみないと判らない。
あらためてここ数週間に渡る様々な記事を読み返してみた。その中で、心に残った言葉達を元記事の文脈から切り取り、並べてみた。
これは、言うなれば「言葉のサンプリング」である。
あえて引用元は最後に列挙する形にしてみた。誰の発言かはとりあえず気にせず、それぞれの言葉をかみしめて欲しい。真実を伴った言葉は、力があるはずだ。
見解の相違が国民を二分した時、おそらくどちらの言い分にも理はある。そして、ここに取り上げた言葉達が皆、立場や意見の違いを超えて説得力を持つ事を確認して欲しい。
これを以って総選挙前の最後のおさらいとしたい。

マニフェストなんか読むな。読むべきは国会議事録だ。今回の選挙は「ブログ選挙」などと言われているが、
単に情報を発信する、交換するだけでは意味がない。
僕らは僕たちが政治だと思っているものについて語っているが、それではいけない。
僕らは現実に行われている政治について語らなければならない。そして、それは僕らの手に入るところにある。

 財投の不良債権問題が表面化する前にカネの元になっていた郵政民営化が重要かとと言えば、またそこでそれは別問題だといった議論も起こるのだろう。しかし、民営化しておいたほうが敗戦処理にはよいのではないか。

今はデフレで民間に資金需要がないんですよ。銀行貸出がばんばん伸びていて金利がごりごり上がっているのならばいざ知らず、企業や家計がキャッシュを溜め込んでいるところで郵政が民営化しようが何しようが資金循環なんか変わるわけがない。もうちょっとマシなロジック考えられなかったんだろうか。あまりに子供騙しというか杜撰ですよ。

日本はどこかの独裁国家のような
エリート官僚は全部コネということはない。
世界に冠たるフェアな試験で
官僚は選抜されているわけであって、
それを理由もなく排除しようというほうが
フェアじゃない。
政治家は官僚と
ペーパーテストの秀才かどうかを競うんじゃなく、
別な次元で勝負するものだ。

今回の選挙で重要なことは、自民党か民主党かではなく、国民が構造改革を支持するか否かなのです。国民の支持を得て郵政が民営化されるのか、国民の意思に反して郵政が民営化されるのか。この分かれ道は、その先の大改革の成否に直結しています。

問題なのは、この郵貯の利益の源泉たる預託金は2008年にはほぼ全額が完済され、郵貯の資産から消滅するということだ。もし2003年度末で165兆円ある預託金が全て7年国債(利率0.95%と仮定)に置き換わったとすると、経常収益は2兆円以上低下する。前回書いたとおり、これは郵貯の経常利益がまるまるふっとぶ規模なのだ。
どこかの政党が郵政公社の問題は不要不急だとか言っていたが、それどころではない。300兆円近い資金をどう運用し、どう利益を出していくか。その経営戦略をとっとと練り上げないと、次に税金を投入するのは郵貯ということにもなりかねない。

 郵政の持つ金融部門が政府から切り離されないということは、事実上、総務省管轄下に置かれることになり、国債の担保とされている膨大な資金が金融庁の管轄外に置かれることになる。そんなことになれば、決済の安定性など原則的に不可能になり、そんな市場を世界が信頼するわけもない。

2001年の統計では、日本政府の建設投資がGDPに占める割合はアメリカのほぼ10倍だという。
農村漁村は建設依存症。無人島の一軒の番屋を守るために1千万近く投じて、裏の崖や谷をコンクリートで固めようとする国は他にないだろう。ほんのちょっと番屋を移動させれば崖から離れられるのに。
小さな集落を守るためにひとつの河川に百基を越える砂防堰堤をつくる国。
でも、天下りと一心同体のこの仕組みを自民党は手をつけない。ここが事実上の聖域なのに。(しかし談合がなくなれば、町の下請けは即死だろう。だから同時に雇用の流動化・受け皿問題も考えなければならず、そんなめんどい仕事はやりたくないだろう。今なお全産業就業者の一割が建設業に携わる日本。)
道路公団民営化問題が自民党の構造改革の限界を露呈した。自民党では永遠に無理だろうという絶望感。

我々有権者は投票によって政治を左右しますが、いちいち細かな政策までをも左右することはできません。具体的に言えば「郵政民営化が終わったら、また解散総選挙でもするのか?」という事です。政策だけを見て投票行動を行うにはそもそも限界があります。
従って「郵政民営化に対してどういう姿勢を取るか」というところから、さらにその先にある思想や行動を見通して投票する必要があるのです。少なくともいえることは「何もしない」議員だけは、しっかりと見抜く必要があるということです。

これまでも小泉総理は国政選挙・総裁選挙をともに信任投票的に活用し(郵政民営化が嫌だったら代えてくれ、という総裁選での言がその典型でしょう)、自らを選んだ以上はその統治を全面的に受け入れて当然だとしてきました。しかし本来、公約は政策パッケージにならざるを得ず、選挙の勝利はあくまで平均点としてパッケージがよいという以上の意味を有さないはずで、だからこそ公約を実際の政策とする際には別途プロセスを踏む必要があるのが自然です。

 戦後日本の政党政治では、政党が政策を尊重してこなかった。特に自民党の場合、あれもある、これもあるという雑居性が政党の幅の広さとして高く評価され、党内における不透明な交渉や妥協が民主的手続として尊重されてきた。しかし、権力に関する責任の所在が不明確であることが、日本の政党政治を毒してきたと私は思う。国民にとっては、選挙で投票することが重要政策についての選択につながっていない。
これからは、政党のリーダーが国民に対して重要政策を具体的に示し、その実現に向けて自党を統制、統率するというメカニズムを確立することが必要である。この転換は、妥協型民主主義から、(国民との)契約型民主主義へのモデルチェンジといってもよい。

 議員にとっては地域社会の繋がりが緩んでいるため、誰が自分に票を入れてくれたのか非常にわかりにくい。しかし、郵便局長会や労組の力は例外的に明確だ。当選したお礼参り先としてはこうした組織は欠かせない。これが小泉さん以外には郵政民営化を言う政治家が出なかった一因であった。

[追記]

近い将来、情報流に物流が追いつかなくなって、不均衡が発生するのは必然で、その時に配信系のネットワークだけでは機能不足だと思う。ある意味コンビニと同じだけど、全国規模で設置コストゼロですでに過疎地にオフィスがあるってことは強いですよ。
~中略~
「郵便局2.0」
これですよ。来年から「郵便局2.0」の逆襲がはじまります。

[引用元一覧]
国会議事録を読もう・言葉への信頼を取り戻せ
財投機関債を巡って
郵政民営化について
岡田民主党と嫉妬の政治
なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか?
郵貯:改革の理由(2) 収益源のタイムリミット
郵政民営化法案問題をできるだけシンプルに考えてみる
選挙戦へのつぶやき1
郵政民営化と、保守主義と、システムエンジニア
小泉総理の解散権行使に対するオブジェクション
小泉流リーダーシップの意義+(読売新聞掲載の小泉論に対する補足)
政党選択の新たな意味
郵便局2.0 — 過疎地のオフィスを活用する方法

「総選挙前におさらいしておきたい言葉の断片」への8件の返信

珍しく、1番ゲット。
あー、堀衣文かプライドの記事のほうが良かったでしょうか。外れ予想ネタで。」(´・ω・`)。
ちなみに、もう投票済ませています。海外だと時差があるので。」(´・ω・`)。
まずは、いろいろなブログを探索され、いろいろなエントリー参考になりました。ありがとうございました。
次のネタ希望。「ニュートラ 適性・適職診断」(笑)。J2さんの適正・適職が知りたかったりする(´・ω・`)。
   ’ζ`~ 
 m(_ _)m ギネアアブラヤーシ

すばらしい。
>>立場や意見の違いを超えて説得力を持つ事
編集者的センスがありますね。
勉強になりました。
でも、ピックアップされた立場や意見の違いを超えたすばらしい言説は、おいらはあんまり見なかったです。つまり、変なもんばかり読んでたんだ。

 .vWv
  ´||゜  †
( ゜∀゜)ノ しが研信者は海外なのですね。日本では手に入らないアレやコレを教団本部に送って下さい。売ります。お駄賃に5%あげます(そんだけか
出口調査報道や、特番の初動を見て驚愕しているところです(((( ;゚Д゚)))

しがない憲法研究家さん>
海外!!海外だったんすか!??
実はスゴイ人??オーモノ?(´・ω・`)
ほりえもんは、ええ、ええ、はずれネタですとも。orz
ニュートラってなんか流行ってるんすね?
やってみましたが
グラフィックデザイナー、コピーライターなど業界のカタカナ職業系、ミュージシャンなどのアート系
だそうです。やだなーカタカナ系。
いか@さん>
お褒め頂き恐縮です。とりあえず教祖直伝粗茶
( ・∀・)つ旦~
いやはやスゴイ結果でしたね。感想でも書く暇があったら書いて見ます。
教祖>
結局与党327。100のケタが1つ多いですがなwwww
さすがに驚いた。しっかし面白かったなーー。
つか、北海道はミンス議席を増やしましたorz
なんつーか、地域ぐるみでこの空気の読めなさはちょっと恥かしいっす

>ほりえもんは、ええ、ええ、はずれネタですとも。orz
でも、8万票とってますよ( ´艸`)ムププ
4年後も出る気あるみたいですー。そのときは自民党の公認もらえるかも、、と思わせる数字かしら、8万票ってw

Amiさん>
別にどうでもいいんっすけどねw。>ホリエモン
あんなエントリー書いちゃったもんだから気になっただけで
まあ、でも本人はマジだったでしょ?てところはそれっぽいわけで。つか、本質的に政治家向きではある。
いや、ホントどうでもいいんっすけどね。w

heehohouさん>
おおー、お名前はお見かけしておりました。
おいでませ(・∀・)
やや、民主が自民に対するリードを広げたのは北海道だけっすよ、多分。
でも、おっしゃるとおり一次産業の盛んな地方で民主が強い印象はありましたね。つか、「都市型リベラル」を標榜する党が利益誘導型に走って本望なのかと小一時間

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