コピーなくして「音楽」の活性化はありえない



津田大介氏の「音殺」、その扇情的なタイトルとはうらはらに、実に客観的で音楽業界の根深い問題を多角的に捉えた良書でした。あとがきで津田氏自身が語っているように、この本の目的が単なる業界批判ではなく「今の音楽業界を取り巻く論点がいかに多いかという事をあぶりだしたかった」のだとすれば、その目的は見事に達成されていると言っていいです。特に印象深かったトピックスはホントにたくさんあったのですが、いくつか挙げてみると
1.「洋楽CDのレンタルがリリース後1年間禁止」の詳しい経緯
2.コピーコントロールCDの技術的な仕組みと問題点
3.輸入権問題のオピニオンリーダー高橋健太郎氏のインタビュー(これは必読!)
4.音楽配信サービスの日米格差
5.「原版権」のあり方が、今の音楽業界のさまざまな部分に実は多大な影響を及ぼしている
6.津田氏自身の「ナプスター体験」(そーそー!!て感じで共感しまくり)
などなど。
とにかく読み終えての率直な感想は、音楽業界バカばっかり!!つーのもありますが、JASRACもバカばっかり!あと、意外と問題意識の低いミュージシャンが多い事にすげーショックを受けました。それだけに、高橋健太郎氏のような、しっかりと問題意識を持ちなおかつ冷静で戦略を持って行動できる人は音楽業界ではきわめて貴重です。貴重すぎです。
それから、本でも取り上げていた、戸田誠司がライナーノーツに書いた一文「このCDのコピーコントロールはあなたのハートにある」
これ、あまりにもシビれたので、言葉の滴に登録してしまいました。
(※注:元フェアチャイルド(ボーカルは、あのYouです)戸田誠司氏の新譜「There She Goes」にて、自分がエンコードした192bpsのMP3ファイルをCDに収録し、そのフォルダ内に入っている解説テキストファイルの最後の一文に上記の素晴らしい言葉が。。。。)
音楽っつーのは、コピーしなければ、ミュージシャンが生演奏して周るしかなくなります。音楽とはまさに「コピー産業」であり、コピーされなければ枯れゆく一方です。その根本が判ってない人間が多すぎ。
いかにコピーさせないか?ではなく、コピーからどうやってしっかり対価を徴収するか?こそがキーワードです。CCCDなどもってのほか。QUEENのブライアンメイが言ったように、「コピー防止に費やしたコストは最初からムダな投資」「CDそのものをどれだけ魅力的にできるかを考えるべき」とはまさにその通り。正論。つーかなんでこんな当たり前のことがわからないでしょ??。
本書の一文でも似たような記述があった気がしますが、音楽は「無くても生きていける」ものなんす。「音楽なかったら死んでしまう!」という人がいても実際には死ぬことはありませんがな。「無くなっても良い」ものだからこそ、必死になって、ユーザの興味を繋ぎとめなくちゃ。その意識が、今の音楽業界には全然ない。マジで、「コピーをコントロールしてる場合じゃないって」。
にも関わらず、JASRACさんの見解はこうらしいです。

「コピーなくして「音楽」の活性化はありえない」への3件のフィードバック

  1. >「音楽なかったら死んでしまう!」という人がいても実際には死ぬことはありませんがな
    ・・死ぬ人いるかも。って突っ込んで読んでました。
    でも、よく考えたら、音楽がなくなって死ぬリスナー
    ってたしかにいないかも。音楽できなくなって、
    死ぬミュージシャンはいるでしょうけど

  2. 正確には、「音楽業界」がなくなっても、、、ですね。言い換えた方がよかったかな?
    だって、好きな歌の鼻歌歌ったりするのを止める事なんて誰にもできないですもんね。そういう意味では、音楽そのものが「無くなる」事はない。むしろ、いっぺんそういう時代になって、今のミュージックスターは全員廃業して、あらためてネットとかから自主配信で良いミュージシャンが生まれてきたほうが面白いかもしれない。ま、いずれにしても「死ぬ」事は絶対にないと思いますよ。

  3. はじめまして、考えさせられる文を目にしてコメントしてしまいました。すみません。
    コピーされること自体が興味を持たれているという前提と宣伝を促す行為と思います。興味を繋ぎとめておくために最低限必要いうのは同感です
    ブライアン・メイ氏の言うことも的を得てますね
    http://maiise.9.dtiblog.com

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