ボーダフォンにエールを送る



ボーダフォンが約半年ぶりに契約者数純増に転じた
これはほんの序章である。以前と同じだけの輝きを取り戻せるかはまだ予断を許さないが、これからは「目の離せない」反撃の一手を次々と繰り出してくるのは間違いない。
暗く長いトンネルの出口が見えてきたと断言しよう。
「暗く長いトンネル」とは契約者数が純減に低迷したこの半年を指すのではない。「J-PHONE」ブランドが消滅した2003年10月からの長い長いトンネルだ。
企業を生かすも殺すも、結局は「人材」である。そして、いくらいい「人材」を抱えていても、その能力を発揮できる「環境」が整ってないといけない。「人材」と「環境」。ロングスパンで見れば、企業が伸びるかどうかはこの2つでほぼ決まりだ。「環境」も「人材」も外からは見えない。だからその変化に誰も気付かない。
「水濡れ修理の保証除外」「ハッピータイムの突如廃止」などまともな神経とは思えない数々の経営判断、その集大成としての「消えた10の約束」。
M&Aだけで巨大化してきたボーダフォングループ経営陣の無能さ、そして誤った経営判断に対して日本人社員が「No」と言う事ができない「社内環境」。それらの問題に世間が気付いた時には、もはやボーダフォンは取り返しのつかないほど大きなモノを失っていた。
そして極めつけが、昨年夏の「希望退職制度の実施」である。
復活の為の最後の砦「人材」までもが大量に離れていく…
おそらく、大量の離職者を生んだ昨年の夏がボーダフォン内部的には「どん底」だった。
「どん底」の体制で生み出された製品が市場に並ぶまでにはタイムラグがある。昨年末からの3G製品群がまさに「どん底」の体制で生み出されたものだとすればその品質のお粗末さも理解できる。それが契約者純減に繋がったわけだ。
そして今、ボーダフォンは既に「どん底」を脱している。
そのきっかけは、「NTTドコモの社長になるはずだった男」津田志郎氏の電撃移籍、ボーダフォン社長就任である
しかし驚くのはまだ早かった。
津田志郎氏は社長就任わずか2ヶ月後の2005年2月7日、なったばかりの社長を退き会長職に、ボーダフォンUK社長のウィリアム・ティー・モロー氏が日本法人の社長にそれぞれ就任すると発表
就任後わずか2ヶ月でのさらなる社長交代発表をネガティブに解釈している人もいるようだが、それはとんでもない間違いだと思う。
モロー氏の役割は、本国ボーダフォン経営陣の懐柔であり、それはとりもなおさず日本独自路線を進むという津田氏の並々ならぬ決意の現れである。
これは「攻めの人事」だ。ボーダフォングループ本体経営陣が日本におけるボーダフォン再生の足枷となっている事を悟った故の英断である。そもそも、社長就任2ヶ月では、まだペナントレースは始まっていない。キャンプだけで退任するプロ野球の監督などいない。ただでさえ、津田氏は社長就任を反故にしたドコモへのリベンジという強いモチベーションがある。
「新生ボーダフォン」の象徴は、新しい2つの東芝機種だろう。
1つは、斬新なデザインが話題の着ぐるみ携帯V501T。牛型携帯で話題の「ブル」の着ぐるみが持つ大胆さは強烈で新鮮。この大胆なアイディアを具現化した時点で、次の何かを期待させてくれる。久しぶりにボーダフォン端末で「ときめいた」。
もう1つは、V902T
実用に耐えうる3G携帯はこれが初めてと言っても良いだろう。これでやっと3Gもスタートラインに立った。反撃はこれからだ。
携帯電話の総契約者数は約8800万人。日本全体の15歳~64歳までの総人口(約8400万人)を超えている。とんでもない数字だ。もはや市場は飽和状態に近づいている。イーアクセスやソフトバンクなどが新規参入してくればさらに競争は激化する。これからは、どのキャリアも契約者純減は珍しくなくなる。
ドコモだってauだっていつどうなるかわからない。
狙われるもんより、狙うもんの方が強いんじゃ 」 by 広能昌三(仁義なき闘い)
これからのボーダフォンはちょっと楽しみだ。

「ボーダフォンにエールを送る」への3件のフィードバック

  1. 「ブル」、かわいいかも♪
    私はデザインでnudio買ったんですが、
    東芝機種ってメール打ちやすいんです。
    Tの機種を使い続けたいかも!!
    で、これからのボーダフォン、いい感じですか!?
    よかった。
    もっとVユーザー増えて欲しいですね。auやドコモへだと
    絵文字使えないから(/-\)

  2. ボーダフォンにがんばってほしいという気持ちは大いにあるんですが、どうも先月の純増は『調整』ではないかと・・・。
    ボーダフォンLiveが-3000というのを見るに、回線の自社登録、もしくは純減幅の減少してプリペイドが増えただけと見る方が自然じゃないかと思います。
    以前「2005年後半には純増に転じるだろう」といったような津田社長の発言があったんで、それを受けてのことだとは思うけど、『調整』だとすると新体制になっても悪しき因習を断ち切れてないということになるよなぁ。

  3. Amiさん>
    >「ブル」、かわいいかも♪
    私も、リンク先の「おやすみブル」の写真にはやられましたw
    nudioは当時としては一番まともでしたね。英断だったと思います。それにしても東芝の貢献度は高いなあ。
    今後はサンヨーなどの機種も復活するみたいですし、ラインナップは整備されていくと思いますよ。
    2>
    >ボーダフォンLiveが-3000というのを見るに、回線の自社登録、もしくは純減幅の減少してプリペイドが増えただけと見る方が自然じゃないかと思います。
    鋭い指摘ですね。私もボーダフォンLiveが-3000という数字から本当の意味での「純増」ではないと思ってます。
    しかし、昨年のような「数字合わせ」ではないと思いますよ。今の体制になってから純減が続いていたわけですから、今更体裁を気にする意味もないでしょう。
    長期的に見れば、「底は脱した」という評価は変わりません。
    -40000とかのオーダで純減が続いてましたからね。
    私はボーダフォン社員ではありませんが、仕事上けっこうお付き合いがあります。デリケートな話題なんで本文には書きませんでしたが、あきらかに社員のモチベーションも上がっている様ですし、昨年離職した社員も少しずつ呼び戻しているという情報もあります。

コメントは停止中です。