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ヒットチャートレビュー2005/10/16

今の日本の音楽シーンは基本的につまらない。だから今の日本のヒットチャートもまたつまらない。

それはネット上を見てもわかる。これだけブログが隆盛し、多くのテキストが日々WEBサーバー上に蓄積しているのに、J-POPシーンを語るまともな文章が少なすぎる。

熱心な音楽ファンは洋楽志向、インディーズ志向、もしくはテクノ・HipHopといったジャンル志向にシフトしていく。その根っこには日本の「メジャー」業界に対する反発が少なからずある。

音楽「メジャー」が長きに渡って低迷していくうちに、人々はCD売上だとか、ヒットチャートに対する興味を次第に失ってきた。先週日本で一番売れたCDを答えられる人がどれだけいるだろうか?

というわけで、前置きが長くなったがヒットチャートレビューを試験的に復活してみようと思った。実は1999年から1年程、自サイトでヒットチャートレビューを書いていた事がある。そういう意味で復活。やはり日本の音楽シーンの縮図である「ヒットチャート」に正面から取り組んでみないと現状は見えてこない。今やそういうの誰もやっていない様だから少しはやってみる意味があると思った。以前は上位10曲全てについて言及していたが、今回からは無理に言及しない。語りたくない曲についてはスルーしていく。

では10/17付(10/10発表)のオリコンウィークリーランキング から。

順位   タイトル アーティスト 週間
売上
1 NEW COUNTDOWN HYDE 64037
2 NEW Two As One Crystal Kay×CHEMISTRY 32167
3 NEW Sweet Mom 柴咲コウ 27368
4 ENDLESS STORY REIRA starring YUNA ITO 25346
5 NEW How Many More Times Ken Yokoyama 24744
6 Be My Last 宇多田ヒカル 23724
7 NEW BEAT 木村カエラ 20984
8 プラネタリウム 大塚愛 20495
9 HEAVEN 浜崎あゆみ 20215
10 GLAMOROUS SKY NANA starring MIKA NAKASHIMA 19759

まずいきなり驚いたのが、オリコンのサイトでもレーベル各社のサイト見ても、各楽曲の詳細情報ページに作詞作曲編曲者のクレジットが無い事。
これマジ最悪。もう一回繰り返したい、最悪。
これだけで今の業界のダメっぷりが判る。おかげでENDRESS STORYの作曲者を調べるのにエライ苦労してしまった。5年前はこんな事は皆無だった。これはあれか、盗作騒動とか起こった時に創作者に迷惑がかからないようにってヤツか?意図がわからん。その曲に興味を持ってくれた人に、もっと情報を提供しないでどーする。リスナーはそういうところから、同じ作曲者の曲を探してみようとか、そうやって音楽への興味を膨らませていくのに。

それにしてもホントCD売れてないのな。1位のHYDEで64037枚。これだと同じ枚数を維持してもミリオンまで16週もかかる計算。ほとんどムリ。つか、まだ¥1020なんて値段で売ってるのか。シングルCD。
その点宇多田ヒカルの『Be My Last』はDVD付で¥1320、CDのみだと¥660。これでも高いくらいだがまだ良心的だろう。ホントは¥500くらいにして欲しいところだ。シングルCDの存在意義が薄れているだけに。

最初に取り上げたい曲は『ENDLESS STORY』。オーソドックスなバラードではあるのだがメロディラインがいい感じに捻ってあって、その部分が見事にフックになってる。一聴して良い曲だと思った。
(で、作曲したのは誰かと思って調べてみたら海外曲のカバーorz。)
ボーカリスト「YUNA ITO」がまた素晴らしい。何度もよく聴くと、ピッチがずれてたりする所もあるのだが、なんと言うかそんな細かい事は全然関係なくなるくらいの魅力がある。こういうタイプのファルセット系は今までの日本にはいなかった。平原綾香ともちょっと違う。
ルックスも大変よろしいのだが、少し痩せすぎの感。笑うと特にそれが目立つ。今後は笑うの厳禁。もしくはもうちょい太れ。
PVのプロデュースをYUNA ITO本人がしたなんて話もMTVかどっかの番組で言ってた。プロデュースって具体的にどこまでコミットしたのかは不明だが、そういうところも好感は持てる。このコはスターになります、多分。売れなかったらそれはプロモーション側の責任だろう。とりあえずこの曲がロングセラーを続けているのは日本の音楽業界にとって希望の光だ。
しかし、日本国籍じゃないってorz。日本にはもう新たな才能はいないのか?

お次は、木村カエラmeets奥田民生。この組み合わせはホッとする。
質の高い楽曲を、ひたすらマイペースに発表し続ける奥田民生。
大人の余裕とユーモアでもって自分の確固たるスタイルを確立している彼を、「音楽界のessa」と呼ぼう。
ソニーミュージック所属の為にiTMSで配信されないのは、さしずめ「iTMS八分」といったところか。

話が脱線してしまった。今回の曲『BEAT』は、サビだけ聴いた時は良さが判らなかったがフルコーラス聴いてみると、いかにも奥田民生らしい佳作だった。聴き込めばもっと良くなりそう。
木村カエラは、後期の小泉今日子のような「アイドルの立ち居地からアーティストを凌駕する」素養を感じる。このコラボレーションは長く続いて欲しい。ちなみに同日発売した奥田民生の『トリッパー』は11位だった。

宇多田ヒカルの『Be My Last』は発売2週目にして6位に落ちてしまった。
この曲は久々の傑作だ。もっと売れて欲しいのだが…
思えば、宇多田ヒカルの海外デビュー不発が日本の音楽業界をさらに意気消沈させてしまった感も否めない。しかし、この曲はDef Jamから出した海外デビュー作品より遥かに良い。サビの後半部などは、ビョークに匹敵するような荘厳さに圧倒される。
最早ブラックミュージックの焼き直しなどやる必然性は無いと思う。宇多田本人の感性に任せた方が
いい曲が出来る。日本人は、アメリカ制覇した唯一の曲が「上を向いて歩こう」だという事をもう一度思い出すべき。

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「ヒットチャートレビュー2005/10/16」への7件の返信

宇多田さんの声は背筋に来ますよ。正直ファンです。でもCDは買ったことがない…w

宇多田、今回の曲はなんですかね。憑き物でも憑いてるかのような傑作書いちゃって。初めてギター1本で作った曲らしいです。つか、ガクさん曲書きます??

何か凄いですよね。「誰かの願いが叶うころ」も好きだったんですが、今回はそれ以上に来ましたw
作曲は、俺、音階のある楽器は使えない(ベースをちょっとだけ触ったぐらい)ので、まったくできないです。

ガクさん>
あ!そーだったガクさんドラマーですもんね。
私の宇多田ベスト3にも「誰かの願いが叶うころ」入ってます。もー1曲は「トラベリング」。

10/27付けのランキングでENDLESS STORYは3位です♪
このCD買ってます。でも、YUNA ITOより
私は倖田來未が好きかなあ☆
>もしくはもうちょい太れ
21世紀初レビュー!父さんらしくない?発言発見w
今世紀ではセ○ハラって言われちゃったりするかしら・・ヽ(^∇^*)

Amiさん>
>21世紀初レビュー!父さんらしくない?発言発見w
えーーー?そーかなー。らしくないかなー。
しが研さん>
グラムアというと、あれですか、グラムロックをやる人、って意味ですか。

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