「寄生獣」をハリウッドの最高傑作に



「寄生獣」ハリウッドで映画化”というニュースが飛び込んだのは7月15日の事だった。
なんてこった!ハリウッドだ!監督は「THE JUON」の清水崇だ!
「寄生獣」は個人的に最も思い入れの深い漫画であり、最も映画化して欲しい作品でもあったから、このニュースには興奮を抑えられなかった。同じ様な想いを抱いている人は想像以上に多かったようで、例えば「はてなダイアリー」を見ても、この記事に関する言及数がなかなかスゴイ数になっている。こんなに人気あったのか、と改めて驚く。
このニュースに対する反応としては、概ね「超楽しみ!派」「超不安!派」に分かれている様だ。どちらの気持ちもスゴク良く判る。私も期待感が膨らむその一方で、「デビルマン」や「キャシャーン」の悪夢が脳裏をかすめる。ハリウッドだから大丈夫と言っても「GODZILLA」の様な先例もある。
とにかく「寄生獣」は素材としては超一級だ。寄生獣の連載第1話を読んだ時から「これは映画だ!」と感じた。ハリウッドの最高傑作の1つに成り得るだけのポテンシャルはある。
まず「寄生獣」をご存知ない方の為に、ごく簡単に作品の概要を紹介しよう。
やはりWikipediaが良くまとまっているので以下引用。

『寄生獣』(きせいじゅう)は、岩明均による漫画作品。全10巻。講談社・月刊アフタヌーンに1990年1月号から1995年2月号にかけて連載され、作者の代表作となった。2004年には完全版全8巻で新しく発売されている。1993年第17回講談社漫画賞一般部門受賞、1996年第27回星雲賞コミック部門受賞。
一人の青年の数奇な運命を通して、生命の本質を峻厳に描きつつ、それ故に見えてくる人間性の尊さと人の浅はかさを訴えた内容は、各方面から注目された。

~中略~
あらすじ
ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。それは、人間に寄生して脳をのっとり、別の生き物となって日常生活に紛れ込む。肉体ののっとられた部分は「考える筋肉」とでも言うべき特性を帯びていた。高い知性を持ち、刃物や紐などの形に自由に変形し、寄生した個体と同族を捕食の対象とする。捕食の際には寄生体全体が口となる。そのエサは人間。間一髪で脳ののっとりを免れ、しかし右腕に寄生された主人公の高校生・泉新一。その「右腕」・ミギーとともに始める寄生生物=パラサイトとの戦いを描く。

2003年に発売された完全版はこちら(全8巻)。
レビューに注目。すごい高評価っすw。

寄生獣―完全版 (1)

寄生獣―完全版 (1)

  • 作者:
    岩明 均
  • 出版社・メーカー:
    講談社
  • 発売日:
    2003/01
  • メディア:
    コミック
  • 評価:
    4.89
    (全19件)

さて、ではこの「寄生獣」がどんな映画になりそうなのか、
まずは、漏れ伝えられている情報から整理してみよう。(情報元: allcinema.net)

  • タイトルは原作の英語版と同じ「Parasyte」
  • 監督は「THE JUON/呪怨」の清水崇
  • 製作元はアメリカの大手、ニューラインシネマ(ロードオブザリング等)
  • 清水崇は脚本製作にもスーパーバイザーとして関わる予定
  • プロデューサはアングリー・フィルムズのドン・マーフィ、ヘンソン・ピクチャーズの
    リサ・ヘンソンと Kristine Belson、そして日本の一瀬隆重
  • CGを駆使して原作を忠実に再現するとの事(via WEB報知)

特筆すべきは、音頭を取るのが「ロードオブザリング」の映画化を実現させたニューラインシネマだという事。これは心強い。ベストと言ってもいいかもしれない。
監督は、個人的なイメージではジョンカーペンター(遊星からの物体X、ゼイリブなど)だったのだが、日本語版原作の機微を理解できる清水の方がベターかもしれない。
プロデューサ陣もいい感じだ。超ビッグネームではないが、「フロムヘル」のドンマーフィ、「ハイクライムズ」のリサヘンソンと、ジャパニーズホラーの仕掛け人一瀬。むしろマイケル・ベイあたりのビッグネームの方が駄作の確率は高まるような気がするのでこのスタッフ陣は好感が持てる。これは思い切り期待できる布陣だ。
さらに、作品を駄作にしない為に何が必要なのか。独断で妄想してみた。
●舞台は日本か、アメリカか
ハリウッドで映画化する以上、アメリカでヒットしなければ話にならないわけで、とりあえず主人公はアメリカ人になるだろう。「THE JUON/呪怨」の様に舞台だけは日本という力技もあるが、おそらく大掛かりなロケが必要になる今作は素直にアメリカが舞台になるのではないか。また、配役の選択肢を広げる為に舞台設定もハイスクールではなく、大学のキャンパスか何かになりそうな気がする。
●主演俳優を妄想する
「THE JUON/呪怨」の大ヒット要因として、サラミシェルゲラーやビルプルマンといった配役の妙があった。やはり成功するにはスターの存在は不可欠。(役名は変わるだろうけど)泉新一役には、ずばり若き日のダースベイダー役でスターになったヘイデンクリステンセンなどはどうだろう?弱弱しさと内に秘めた野性的狂気を兼ね備えた感じがイメージに合いそうだ。
その他では、ロードオブザリングのイライジャウッド、デイアフタートゥモローのジェイク・ギレンホールあたりかなぁ。
●右か左か
ファンの間では有名な話だが、アメリカのコミックは逆開きなので寄生獣のアメリカ版も全ページ裏焼きになり、「ミギー」が「Lefty」になっている
日本の歩き方:番外編気力島の中段下あたりに実際の画像が紹介されている。)
しかし、映画では本来の「ミギー(righty?)」に戻るのではないか。right には「正しい」とか「権利」という意味もある。これらはこの作品のテーマに通じる重要な言葉でもあり、ぜひここは「righty」でいって欲しい。
●最も重要なエピソード
「寄生獣」の中のエピソードはどれも外せない重要なものばかりだが、2時間前後の時間的制約の中で作品を成立させる為に、多くのエピソードが削られたり、新しいエピソードが追加されたりするだろう。ただ、絶対にカットして欲しくないエピソードがある。新一が、母親の姿をしたパラサイトと自宅で遭遇する場面だ。このエピソードが作品から外されたらそれだけで駄作決定と言ってもいいくらい。
新一が背負う悲しみの象徴、そしてミギーと新一が本当の意味で「融合」する、一番重要なシーンになる。
●作品のポイントは「ミギーのリアリティ」
ハリウッドのCG技術がフルに導入されるというのは、この作品の映画化をイメージするのに不可欠な要素だ。そして、硬質化するパラサイトのイメージに近いものは、14年も前に既に「ターミネーター2」で実現できている。おそらく勝負は「ミギーの柔らかさ、不気味さ、愛らしさ」をどこまで表現できるかにかかっている。漫画の読者がイメージする「ミギー」をそのまま再現できなかったらこの作品は終わりだ。
「気持ち悪いけど愛らしい」「ウザイけど頼もしい」味方としてのパラサイトの存在がこの作品を「ただのCGスプラッター」から一歩進んだものにする。どこまで感情移入できるだろうか。
ターミネーター2から早14年。その間ハリウッドのCGがどこまで進化したのか、想像しただけでワクワクしてしまう。
ちょっと余談になるが、「寄生獣完全版」の第2巻に、当時のファン投書と原作者のこんなやりとりがあった。以下抜粋(強調は引用者による)。

投書:
「寄生獣」を映画化してください!ちなみに岩明さんスイセンのベスト1の映画は何でしょうか?

~以下略~
岩明 均(原作者)の返答:
映画というと、それぞれの良さがあってなかなかベスト1に絞れません。
ハラハラドキドキの退屈しないのが好きです。
最近見た中では「ターミネーター2」。変形するところが「寄生獣」みたいで面白かったです。
将来どっちが先だったか判らなくなって「寄生獣」がこれの真似だと言われたらいやですが。

岩明氏も連載当時からターミネーター2を意識していた様だ。ターミネーター2に出てくるT1000は「寄生獣」をヒントにしたという話もある。寄生獣のボスキャラ「後藤」が車を追うシーンは、ターミネーターそのままだ(あれは岩明氏の皮肉だったのかもしれないが)。
とにかく、いろいろな意味でターミネーター2と寄生獣は切っても切れない縁がある。
興味のある方は、”ターミネーター2 寄生獣”でググるといいかも。
清水崇氏の次回作は「THE JUON/呪怨」の続編だそうな。
「寄生獣」が完成するのは、2年後になるのか、3年後か。
とにかく、生きる楽しみが1つ増えた。映画館でミギーに会える日を楽しみに待つとしよう。

「「寄生獣」をハリウッドの最高傑作に」への8件のフィードバック

  1. 寄生獣との関係ではわかりませんが、T1000の絵は映画公開が話題になる随分前からCG関係のイベントに映像を出してきていたので、公開日から想像するより古いアイデアだったのではないかと思います。
     日本語吹き替え版では画面が左右反転してるってオチは?

  2. kumakuma1967 さん>
    >T1000の絵は映画公開が話題になる随分前からCG関係のイベントに映像を出してきていたので、公開日から想像するより古いアイデアだったのではないかと思います。
    なるほど。でも一応ジェームズキャメロンが大の親日家で、「寄生獣」をT1000考案前に読んでいた事は事実のようです。面白い事に当時の寄生獣のファン投書に「あるハリウッドのプロデューサが絶賛してました」というタレコミがあります。これがキャメロンかどうかの確証は無いですけど。
    >日本語吹き替え版では画面が左右反転してるってオチは?
    うわ、それイヤだなあw

  3. スターウォーズⅢを見に行った、しが研さんが来ましたよー。
    スターウォーズとスーパーマンのオープニング曲の区別がつきませーん。
    「寄生獣」ですか。見に行きたいですねー。
    スパムメールでないので悪しからず。
    エントリー違いですが、選挙のことは、よくわからないので、まとめるのがうまい、J2さんに、是非、マニュフェストと公約の違い、各政党の「マニュフェスト」内容の変容、郵政民営化の意義(頼むから財政投融資の赤字&政治家への還流を明らかにしてくれ!)、造反派を公認しなかった候補者が今後どうなるのか等など書いてもらいたいなあ(って、自分で考えないといかんのですが・・・)。(^_-)-☆
    しかし、対抗政党は影薄いッすね。自民党は、定義上政権維持政党だし、造反派を公認しないだろうから、大勝かな(予想)。

  4. おー、スパムが消えてますね。
    先ほどのコメント、「造反派を公認しないだろうから」は、不正確でした。もう1回、首相がガンと「絶対しない」って言ってくれないかなー。
       ^’l~
     m(_ _)m

  5. しがない憲法研究家さん>
    なんか、ここ数日またスパム攻撃が盛んです。
    スターウォーズ、まだ見れてないです。見たいっす。
    郵政民営化は勉強中ですけど、まだエントリー書けるほどじゃないっす。造反派は公認しないと首相は明言しているようです。「反対」は絶対ダメ、「棄権」はゴメンなさいしたら公認の様です。実際、「棄権」に留めた人の方が政治家として狡猾だと思います。そして、狡猾である事は政治家にとっては時に必要な要素ですね。

  6. 寄生獣

    とても考えさせられる匁。 ある日、空からやってきた正体不明の寄生生物。 高い知能を持ち、刃物等の自由な形に変形できるこれらの寄生生物は、動物に寄生して頭をの…

  7. 『寄生獣』全十巻を二時間にまとめるのは無理だと思います。
    五巻目の「えー、選○に出るのー!?」のところをラストシーンにして第一部完、というのがベストではないでしょうか。 

  8. T-1000の液体金属のアイディアはT1の頃からありますから
    パクリはないと思いますよ、製作時期的に見ても、寄生獣見てから作るのは無理だと思います

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