「笑っていいとも」の看板コーナー「テレフォンショッキング」は、コーナー単体でも20年以上の歴史がある。
このコーナーの進行は何度かマイナーチェンジしているが、何しろ20年以上という年月を経てのものだから、現在のスタイルになってからも既に数年が経つだろう。
現在では、寄贈された花や電報の紹介、ゲストとタモリのトークの後、100人に一人を目指す100分の1アンケート、最後にお友達紹介、と続く流れになっている。
そして、長い年月の中で観覧客のリアクションがパターン化していき、そのうちの幾つかは暗黙の「お約束」として不文律が形成されていく。
その1つに、
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
がある。
コーナーの終盤、タモリが「それではお友達を…」と切り出したタイミングで、観覧客が一斉に
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
と、ゲストへ惜別の意を表す。
これが観覧客の儀式として定着している。儀式であるから、たとえゲストが知らない人間でもトークがイマイチ盛り上らなくても、それは関係無い。最早この儀式は観客としての1つの「マナー」なのだ。
ところが、この儀式がたまに行われない事がある。
その日の客がたまたまこの「お約束」を知らなかったのだろうか? そうではない。
ゲストに人気が無かったのか? これも違う。
ごく稀に前半のトークで客をどん引きさせてしまいこのような事態に陥ってしまうゲストも皆無ではないが、ほとんどの場合そうではない。
では、何故なのか。
それは「間」である。タモリと観客との呼吸の問題なのだ。
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
には、それにふさわしい絶妙の「間」がある。その「間」を外してしまった時、観客は硬直し声を失う。
このような機微は、日本人特有のものなんじゃないかと思う。
根拠も無く言い放ってしまうが、これが欧米人であれば「このひと人気ないのね」という理由以外想像できないに違いない。
実際、この
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
が無い回のパターンで多いのが、直前の100分の1アンケートで見事1名に該当するアンケートで携帯ストラップをゲットした時である。祝福の歓声と拍手が鳴り止まないうちにタモリが「それではお友達を…」と切り出してしまいタモリの発言が聞こえ辛い状況に加え、客側の心の準備が出来ていないのとで、タイミングを失うパターン。このパターンを何度も目撃した。
遅れてからでも「えええー」と言えばいいのに、観客はそうしない。
間を外してしまった時点で、失敗なのだ。美しくないのだ。ああ、日本人というのはなんとデリケートな人種だろう。
思えば、
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
という儀式自体、欧米人には理解し難いものかもしれない。日本人は「暗黙のお約束」が大好きだ。
コミュニケーションが不得手な日本人は、「お約束」の共有で意思の疎通を実感する。「みんなと一緒の行動」が楽しくて仕方がないのだ。自分が「いいとも」の観覧席に居たとしても、嬉々として儀式に参加しているだろう。
実際には
「工エエェェ(´∀`)ェェエエ工」
とこんな感じで、半笑いだろう。だって楽しそうだもん。
お約束であるはずの儀式がスルーされてしまった時、多分ゲストの方も地味にショックなんだと思う。でも、ゲストは平静を装う。タモリも、何事も無かったかのように振舞う。
素敵だ。これも日本的美意識だ。あらためて客に催促するなんて無粋で出来ない。楽屋に戻ってからヘコめば良いのだ。
「テレホンショッキング」には「日本人の機微」が詰まっている。
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「「テレフォンショッキング」に見る日本人気質」への12件の返信
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」って書いた指示を観客の前に掲げるADが間に合わないだけだと思ってた夢のない俺。
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」って言われるのが
なんかお約束っぽくてイヤ!!ヽ(`Д´)ノ
ってゲストのときに、わざと間をはずすってことはないのかあ・・ないかな?
kumakuma1967さん>
「間」を外してるというのが、夢があるわけじゃないですけどね(´・∀・`)
今日も保坂尚輝がアンケート1名当てて、「ええええ」って言ってもらえなかったですwww
どっちかというと、タモリが狙って間を外してるってのはあるかもw
Amiさん>
サインねだられたりとかゆーのは嫌がる人も多いでしょうけど、観客のポジティブな反応を嫌がる人はいないんじゃないかなー。予定調和といっても人気の有る無しは、
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
の声の強さにあらわれますしw
久々のコメンツスクラームですよ(´・ω・`)。
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」って、なかなかですね。どの文字を使うのかと小一時間(ry。
実は、このエントリー、某所からインスパイヤーされたものかと思ってマスター。やっぱ日本人でしょ(´・ω・`)。
今回のエントリを拝読して、今は亡きナンシー関氏の著書で、「信仰の現場」という、いろんな現場へ潜入したルポ・エッセイを思い出しました。
その中に「『笑っていいとも!』お昼休みの魔術」と題して、テレフォンショッキングの観客席を(実際に客として座り)取材したものがありました。(取材時は平成4年)
毎日あの観客席に座る人たちは(ハガキによる抽選で)あちこちから集まってくる個人個人なのですが、取材前の段階で、ナンシー関氏は、
「テレビの画面を通すとあの150人の客もまた『笑っていいとも!』の備品に思える」
と書いていました。
本番前のADからの指導では、
「思ったことは即、口に出して表してください」
と言われたそうです。
エッセイの最後のあたりに、
あの番組を生で見たいという意志と、ハガキを送って応募するという行動力を持った人たちがあそこに集まっているわけで、毎回同じテンションであることは偶然ではない、
というようなことが書かれていました。
J2さんの日本人の機微という見解もおもしろいですね。
なるほどーと思いつつ、ふと上記の本のことを懐かしく思い出したもので、ひさしぶりに書きこみさせていただきました。
念のためのお断りですが――
最後のあたりの「~というようなことが」と紹介している部分は、
著書からそのままの引用ではなく、
7行にわたる文章の内容を私が勝手に意訳したものです。
そのまま引用すると長文になるため短くしました。
すみません!
しが研さん>
あ、インスパイヤされた事にしようかなー
もしかして、しが研さんAAコピペしてない!??
鏡だ!(なんの?)
私は、∀ が「すうがく」で変換して出せると昨日知りました。
moonさん>
お久しぶりの粗茶です( ・∀・)つ旦~ 一応茶室なのでw
素晴らしい!ナンシー関ってやっぱ天才だなあ。
言われてみれば、あそこに座ってる方々は確かにすごく高いモチベーションでもって参加してるわけですね。
ちゃんと単行本でまとめてナンシー関の文章を読んだ事なかったんですが、週刊誌の連載とかでは良く読んでました。
買って見たくなってきたー
>もしかして、しが研さんAAコピペしてない!??
そんな大声で言わなくても・・・(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
ようやくマスターしたこれ→ m(_ _)m 以外は、すべてコピペです(´・ω・`)スマソ。著作権法違反かな(´・ω・`)。
>私は、∀ が「すうがく」で変換して出せると昨日知りました。
あれ?、「きごう」でないんですか・・・。
ちなみに、(´・ω・`)もどうやって手動入力するのかわかりませんorz。
例えば、「今すぐに(`・ω・´)にしろ。」って言われたら、´`を切り貼りして・・・orz。
しが研さん>
逆です逆です。
>どの文字を使うのかと小一時間(ry。
なんて言うもんだから、てっきりコピペしてないのかと思ったんです。みんなコピペっすよ。ドラマの電車男ではAA職人がキーボード打って作ってましたけどww
>逆です逆です。
ぎく。私が誤読Qween(We are the champion? つづりあってるかな、ボソ。)だって言うことがばれてしまうではないですか。
漢字の工、カタカナのエ、カタカナのェでしょ。(`・ω・´)オオイバリ。
いずれにせよ、最近レベルの高いAAを見ると、1行AAを書く(コピペする)ときは、近くにある・どこにあったか覚えているところを探すのではなく、AA辞書とか見ないと、時間がかかって。
学問に王将なし(はい、王道です。ツマンナス(`・ω・´)スマソ)。
>漢字の工、カタカナのエ、カタカナのェでしょ。(`・ω・´)オオイバリ。
おおおおーーー、そうだったのか。勉強になりました。
すごーーいしが研さん!
初めまして
“テレフォンショッキングのえー”と検索したら
こちらのブログに辿り着きました。
わたしはずっとテレフォンショッキングの「えー」は
非難の声だと思ってました。
(声が強いし、音程的にもそう聞こえました;)
惜別の声だったんですね。
ニュアンスが、
工エエェェ(´д`)ェェエエ工ではなく、
(#`д´)エ―――――!!だと思ってました
なので、毎回「えー」の度に、
何で怒るの?この人に友達がいちゃいけないってこと?
なんてイライラしていたのですが。。。
これからは、惜別だと知ることができたので
いらいらせずにすみそうです。
ありがとうございます