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Music Hack 聴き倒す!

新シリーズ『聴き倒す!』第一回ゲスの極み乙女『キラーボール』編

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旧ブログでは、アルバム全曲レビューのシリーズ名だった、「聴き倒す!」を、古今東西の名曲を1曲ピックアップして、楽曲徹底解析をするという内容にリニューアルし、さきほど第一弾をYouTube / ニコニコ動画にUPしました。
第一回は、今勢いに乗る『ゲスの極み乙女。』の初期の名曲『キラーボール』を取り上げてます。ファンのみならず、ゲス乙女を知らない人にこそ見て欲しいっす。
動画本編,YouTubeはコチラです。

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ニコニコ動画はこちらです。

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今回、実際の音源を聴きながら解析をする、というスタイルにしたんですが、YouTubeに動画アップして、アップが完了しないうちに、著作権侵害の申し立てメールが来てマジでびっくりした。いくらなんでも早すぎだろ。動画アップ完了してないんだから著作権侵害も何もないだろうに。
 というか、今回、著作権法の「引用」に間違いなく該当する様に、かなり入念に動画を作ったつもりだったので、速攻で異議申し立てしました。
 実際の話、音楽コンテンツの『引用』ってあんまし前例が無いとは思うけど、著作権法は別に著作物の種類を限定していないんだから、音楽でも『引用』は有り得るはず。
 なので、まず出典をより明らかにする為、アーティストと楽曲名だけでなく、収録アルバム名にASINコードまで明記。
コンテンツの中で、引用部分がはっきりと区別できるよう、原曲を流してる時間は、動画の上に必ず「原曲再生中」のテロップを表示してます。
 というわけで、万が一イチャモンつけられた場合は、徹底抗戦する考えです。

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Music Hack

世界のポップミュージックで最も使われているコード進行

世界のポップミュージックで最も使われているコード進行、以前はそのような問いに対する有効な回答は誰も持ち合わせていませんでした。
しかし、2009年以降、海外では、そのコンセンサスが出来つつあります。そのきっかけはオーストラリアの3人組コメディアン、Axis of Awesomeでした。axis-of-awesome
今回の動画で”pop punk chord progression”(=ポップパンク進行)を紹介しているのですが、これGoogleで検索してみると、日本のサイトでこの進行をこの名前で紹介しているものが1つも無い様でしたので、驚いてエントリした次第です。
こちらが動画本編、YouTube。

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ニコニコ動画はこちらです。しばらくはYouTubeとニコニコ動画、併用していきます。

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まずは、このコード進行を世界中に認知させるきっかけとなったThe Axis of Awesomeの大ブレイクネタ、『4 Chords』動画はこちらです。
日本人にも非常に楽しめるネタとなってます、曲のタイトルが出るのも非常にありがたいです。
ちなみに2009年のネタなので、Let It GoやAdeleのSomeone like Youなどは入ってません。

Wikipedia English版はコード進行、コード理論系の項目が充実しています。
ちなみに、pop punk chord progression は I-V-VI-IV progression というページにリダイレクトされています。
Pop Punk Chord Progression
こちらがポップパンク進行を使った曲リスト
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_songs_containing_the_I%E2%80%93V%E2%80%93vi%E2%80%93IV_progression

今現在で、200曲を大きく超える楽曲がリストされています。

コード進行の一覧というものもあります。
List of chard progressions
23のコード進行が掲載されていますが、日本の王道進行に当たる進行は掲載されていません。(カノン進行と、小室進行のバリエーション[cycle progression]は掲載されている)欧米において、王道進行がいかにマイナーかを示唆するものです。このあたりはまた機会があれば触れたいですね。

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JPOPサウンドの核心部分が、実は1つのコード進行で出来ていた、という話

Music Hack 1回目は、JPOPにおける、あるコード進行の話です。
これおそらく多くのミュージシャンが薄々気づいていたんだろうけど、誰もきちんと語ったことの無い話題で、だからそれを明らかにするのはスゴク有意義なことだと思ったんですが、とにかく語りたい事が多すぎて、最初のテイクでは1時間以上になってしまって焦りました。
そこから大幅に内容を削ると、今度は何を言いたいのかさっぱり判らない内容になってしまうというジレンマに陥り…なんとか前後半合わせて23分ほどの話に収まりましたが、
動画にコード進行のテロップを入れていく作業も意外とめんどくて手こずってしまったり。そうこうしているうちに予定から3週間以上もオーバーしてのエントリーとなってしまいました。人に何かを伝えるというのはホント難しいです。
まずは動画の方を見ていただきましょう。ニコニコ動画がJASRACと提携してくれたおかげでこういうコンテンツを合法的にUPすることができるわけです。ありがたいことです。
前後半に分かれてます。
こちらが前半。
【ニコニコ動画】JPOPサウンドの核心部分が、実は1つのコード進行で出来ていた 前編
後半。
【ニコニコ動画】JPOPサウンドの核心部分が、実は1つのコード進行で出来ていた 後編
いくつか補足です。まず”JPOP”という単語ですが、ここでは深く考えずに、「日本の商業音楽全般」を指す単語として使ってます。
あと、後半まとめの所、才能あるけどシングルがヒットしないアーティスト云々の話の部分で、「90年代」と言ってますが、例に挙げたユニコーンも岡村靖幸も80年代のシングル曲でした。よって「80年代後半」の誤りです。この場を借りて訂正させていただきます。


「王道進行」がなぜ日本人の琴線に触れるのか、についての考察

この話題も、1時間でも2時間でも語れる様な深い話なんですが、わかりやすーく端的に言うと、
「メジャーとマイナーの中間を漂う浮遊感」
これがキーワードです。
ここでいうメジャー、マイナーはもちろん「調性」の話です。
王道進行の最初のコード、サブドミナントというのは、それ自体に調性を保留する機能がある上に、ドミナント7の後トニックにいかずにⅢm7にいくあたりで、調性の保留感がさらに強まって、あげくに最後マイナーに方に終止しちゃうっていう。
使いどころによってはかなり調性感をあいまいにする進行なわけです。
そして、「メジャーとマイナーの中間」というのは、実は王道進行だけでなく、JPOPで好まれるコード進行全般にみられる特徴なのです。
もっと話を広げると、日本に限らず、全世界的に「ポップミュージック」におけるロマンチシズムってのはメジャーとマイナーの調性の揺らぎが生み出すという話にまで発展してしまうので、このくらいにしておきますが、いずれにしてもそういうことです。
この話題は、「なぜ戦メリのテーマは日本人に好まれるのか」というタイトルに置き換えてもいいかもしれません。戦メリのテーマ、イントロは王道進行そのものだし、構成音的にも王道進行に通じる部分があります。
うーん、やはりこの話題は機会があれば改めて取り上げた方が良いかも、ですね。


あと、音極道茶室の方に、今回のHackで取り上げたすべての曲の原曲が確認できるYouTube動画リストをエントリーにしてますので、そちらもよろしければ。