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Music Hack

世界のポップミュージックで最も使われているコード進行

世界のポップミュージックで最も使われているコード進行、以前はそのような問いに対する有効な回答は誰も持ち合わせていませんでした。
しかし、2009年以降、海外では、そのコンセンサスが出来つつあります。そのきっかけはオーストラリアの3人組コメディアン、Axis of Awesomeでした。axis-of-awesome
今回の動画で”pop punk chord progression”(=ポップパンク進行)を紹介しているのですが、これGoogleで検索してみると、日本のサイトでこの進行をこの名前で紹介しているものが1つも無い様でしたので、驚いてエントリした次第です。
こちらが動画本編、YouTube。

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ニコニコ動画はこちらです。しばらくはYouTubeとニコニコ動画、併用していきます。

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まずは、このコード進行を世界中に認知させるきっかけとなったThe Axis of Awesomeの大ブレイクネタ、『4 Chords』動画はこちらです。
日本人にも非常に楽しめるネタとなってます、曲のタイトルが出るのも非常にありがたいです。
ちなみに2009年のネタなので、Let It GoやAdeleのSomeone like Youなどは入ってません。

Wikipedia English版はコード進行、コード理論系の項目が充実しています。
ちなみに、pop punk chord progression は I-V-VI-IV progression というページにリダイレクトされています。
Pop Punk Chord Progression
こちらがポップパンク進行を使った曲リスト
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_songs_containing_the_I%E2%80%93V%E2%80%93vi%E2%80%93IV_progression

今現在で、200曲を大きく超える楽曲がリストされています。

コード進行の一覧というものもあります。
List of chard progressions
23のコード進行が掲載されていますが、日本の王道進行に当たる進行は掲載されていません。(カノン進行と、小室進行のバリエーション[cycle progression]は掲載されている)欧米において、王道進行がいかにマイナーかを示唆するものです。このあたりはまた機会があれば触れたいですね。

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音楽産業

日本のメジャー音楽シーンは2010年に破綻している

これまで、諸般の都合で活動休止していましたが、WEB上での『音極道』としての活動を7年ぶりに再開します。
JPOP王道進行解説動画から、実に7年ぶりのMusic Hacks、復帰第一弾は『日本のメジャー音楽シーンは2010年に破綻している』という動画です。

当初の予定から1ヶ月遅れの動画UPとなってしまいました。2010年でJPOPは破綻した、っていう持論が兼ねてからあったのですが、それを第三者に客観性を持って伝えるとなると、エライ大変な作業でした。生みの苦しみハンパ無かった。
一ヶ月の遅れの内、3週間はひたすらシナリオの書き直しでした。テーマが大風呂敷過ぎたのか、言いたいことを全部含めるとあっという間に30分くらいになってしまい、おそらく20回以上はシナリオ全リセットかけて一から書き直し、という作業繰り返しました。永遠にこの動画出せないんじゃないか、と心が折れそうになること多数。
ただ、書き直す度に確実に内容はよくなっていったので、そこはムダではなかったです。今回はピアノ演奏のほとんど無いニュース解説みたいな動画になってしまいましたが、本編はこちらです。内容を削りに削って、なんとか15分弱に。

当初は、復帰第一弾に王道進行解説の続編を予定していて、実際動画も作成したんですが、この<2010年で日本の音楽シーンは破綻した>という前提で解説進める場面があって、「いやそこちゃんと解説しないと視聴者全然わからないよな」となって、その前提部分の解説を第一弾のテーマに変更した次第です。

まずは、動画本編で解説の中心に据えた音楽シーン破綻までの経緯概要図、貼っておきます。
main-fig-mv1

あと、出典関係のURLをこちらに貼っておきます。興味があれば覗いてみてください。

2015/9/19追記——————–
ニコニコにもアップしました。

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The Last Bach Project

The Last Bach Projectをスタートします

前のエントリからまた4か月近く間があいてしまって申し訳ありません。予定よりかなり時間が経ってしまいましたが、昨年9月のWEBミュージシャン宣言時に掲げた
「バッハ イタリア協奏曲 BWV 971全楽章の演奏を自ら録音・マスタリングしてiTunes および着うたサイトから有料配信する」という目標を達成できる運びとなりましたのでここに御報告します。

今回お世話になった(そしてこれから1年間お世話になる)アグリゲータであるmind peaceさんの想像を絶する対応の迅速さにより、なんと契約から2日後にはiTunesStoreに楽曲が並ぶという超異例の速さでのリリースとなりました。私の方が告知の準備が全く出来ておらず、今大急ぎでこのエントリを書いている次第です。mind peaceさんのサイト上においても、配信開始までは2週間程度かかる旨書かれていますので、今回の速さはおそらく諸々の条件が重なった特殊なケースなのだとは思いますが、いずれにしてもその親身な対応には心から感謝しています。この場を借りてお礼申し上げます。

The Last Bach Projectとは?

当初は、イタリア協奏曲の有料配信しか考えていなかったのですが、その後アイディアがどんどん膨らんできて、面白いプロジェクトに昇華できそうな手応えを掴んだので、実行に移すことにしました。The Last Bach Project、直訳すると”最後のバッハ”もしくは”究極のバッハ”プロジェクトといった感じでしょうか。その活動骨子はシンプルで、以下の2つです。

  • J.S.バッハの全ての鍵盤ソロ楽曲を作品として有料配信する。
  • リリースした全演奏のMIDIデータをCCライセンスで無償公開し、(MIDIデータの)商用利用、改変、等すべてOKとする。

まず、有料配信することで、その演奏が一流ピアニストのパフォーマンスに十分匹敵する、高いクオリティであることを担保します。有料配信されている事自体がある種の品質保証になるでしょうし、実際に耳で聞いていただくことでそれがより確実なものになるでしょう。今回プロジェクト第一弾としてリリースするイタリア協奏曲にしても、その演奏はiTSで既に売られている他の同曲の音源と比べても決して勝るとも劣らないと自負しています。質が高いからこそMIDIデータ無償公開の意義が高まるわけです。
今回のイタリア協奏曲1つとっても、人によって解釈は様々です。「もっとテンポは早い方がいい」、とか、「ここはもっと弱く弾くべき」とか、どんな演奏がその曲の「理想形」なのか、このMIDIデータを改変することで、ピアノが演奏できなくてもDTMの知識と環境があれば誰でもそれを追及し、発表することができる。そういう意味で、”究極”の、そして”最後の”バッハリリース、というコンセプトなのです。

*ちなみに、公開するMIDIデータは実演をベースとしていますので、データ内における小節及びBPMが意味を為していません。DAWソフトによるクオンタイズ等の処理はまともに機能しない状態であることをご承知おきください。

イタリア協奏曲だけで数か月かかってしまうのですから、全鍵盤ソロ曲となるとライフワークになると思います。あくまで音楽活動のメインは自作曲のリリースですが、それと並行してこのプロジェクトを続けていくつもりです。年に2作程度のペースで考えてまして、今年は次回作として基本に立ち戻って「インベンション」、来年は「シンフォニア」の後、「ゴルトベルグ変奏曲」という予定でリリースを考えてます。

音源について

今回の制作過程ですが、まず自分の演奏をMIDIレコーディングし、細部をCUBASE上でエディットする、この「録音」->「エディット」を納得いくまでひたすら繰り返しました。MIDIレコーディングする最初の「演奏」が極めて重要で、悪い演奏をエディットで補うのは不可能だと今回悟りました。ちょうど、「いくらフォトショップで加工しても元の写真が悪ければそれを補えない」のと似たような感覚です。なので、演奏レコーディングも数え切れないほどやり直しました。そうして出来たMIDIレコーディングデータをベースにさらにエディットにおよそ2か月、改善の余地はまだあると思いますが、出来としてはかなり納得のいくものになりました。
完成したMIDIデータは、GarritanのSTEINWAY VIRTUAL CONCERT GRANDのオフラインレンダリング機能を使ってWAV化しました。 このプロジェクトはGarritanの音源無しにはあり得ないというか、この音源と出会わなかったらそもそもクラシック作品の有料配信などという無謀な思い付きも生まれてなかったです。それくらい重要なソフト音源。
Garritan社がSteinway & Sonsと正式なパートナーシップを結び、モデルDというSteinwayのフラッグシップモデルの再現に徹底的に拘りぬいた、現時点での最高峰ピアノ音源と言って良いかと思います。御蔭さまでというか、GarritanからWAVとして吐き出された音源は、もうまったく手を加える必要が無いほど完成されたものでした。実際、配信されているデータはGarritanのオフラインレンダリングWAVデータがそのままマスタとなっています。

配信予定

前述した通り、iTunes Storeではすでに配信が始まっています。iTunesStore上で可能な最安値(アルバム¥300)に設定しましたので、一人でも多くの方に聴いていただければと思います。特に、いままであまりクラシックは聴いてなかったという方にぜひ聴いて欲しい、バッハの音楽の素晴らしさに触れてほしいと思います。
iTunes Store(日本)
あと、HMVうた★フルにて3キャリア対応の携帯着うた配信が始まる予定です。(まだ登録はされていないようです)以下のQRコードでアーティスト検索結果ページに直接飛べます。
HMV検索ページQR
さらに、AmazonにてCDの取扱いが来月始まる予定です。
The Last Bach Projectのスタティックなページも開設予定ですが、今はとりあえずこのエントリからMIDIデータのダウンロードリンクを張っておきます。

Creative Commons License
Italian Concerto(イタリア協奏曲) BWV971 LBP MIDI data by 音極道 OtoGokuDo is licensed under a Creative Commons 表示 2.1 日本 License.