YouTubeの最近のブログ記事

このエントリーは、Music Hacks第1回目のエントリー、JPOPサウンドの核心部分が、実は1つのコード進行で出来ていた、という話のフォローエントリーです。Music hackの中で取り上げたすべての楽曲について、YouTubeで原曲を見てもらえる様にリスト化しよう、という意図です。 ニコニコ動画のアカウントが無くてMusic Hacksの方の動画が見れない方は、お手数ですが、この際ですからアカウント取ってください。無料ですので。 とりあえず取り上げた順番にYouTube貼っていきます。一言コメント付き。

瞳をとじて [平井堅] (2004)

非常にオーソドックスな「王道進行」かつ「比較的最近の大ヒット曲」ということで冒頭にもってきました。ニコニコの年齢層を考慮しても、「瞳をとじて」なら覚えてるでしょってことで。SPEEDあたりはもうリアルに知らない若い子とかいそうでゾっとします(笑)
♪瞳をとじて


オリビアを聴きながら [杏里] (1978)

チューリップの財津和夫とかも「王道進行」っぽいコードを使ってて、古さで言えばそちらの方が古かったのですがちょっと変則気味だったので、オーソドックスな「オリビア」の方を取り上げました。
♪オリビアを聴きながら


いとしのエリー [S.A.S] (1979)

"勝手にシンドバット""気分次第で責めないで"と続いたことで定着しつつあった、コミックバンド的な評価を一変させた曲。そういう意味でサザンにとっても最初の勝負どころだったんだよなあ。1979年の時点でそういう大切な曲に王道進行もってくるあたりが桑田の非凡さ。
♪いとしのエリー


悲しい色やね [上田正樹] (1982)

この曲は全然JPOP臭がしないです。その秘密はメロディラインにあります。佳作だと思います。
♪悲しい色やね


シーズンインザサン [TUBE] (1986)

上田正樹の逆で、TUBEってすごいJPOPっぽい。むだにJPOPっぽい。なんだろうこの感覚。
♪シーズンインザサン


世界でいちばん熱い夏 [プリンセス・プリンセス] (1989)

日本のポップス史の中で一番「JPOP」を体現したのがプリプリの様な気がする。JPOPの教科書的なソングライティング。サビ前のBパターンも王道進行。
♪世界でいちばん熱い夏


ロビンソン [スピッツ] (1995)

この曲も全然JPOP臭がしない。そして"悲しい色やね"と全く同じ工夫がメロディラインに施されてるのが興味深い。
♪ロビンソン


White Love [SPEED] (1997)

この曲はSPEEDのシングルで一番売れた曲。そういう曲に王道進行が使われてるパターンってすごく多いんです。
♪White Love


LOVEマシーン [モーニング娘。] (1999)

データ調べてませんがこれもモーニング娘。で一番売れた曲、のはず。 この曲のコード進行は王道進行としては若干変則的で、冒頭からⅣ→Ⅴと、7th音が無い。
♪LOVEマシーン


Everything [MISIA] (2000)

王道進行をサビの後半にもってきているパターン。この曲は富田恵一のアレンジ含め、すべてが「王道」的な感じ。
♪Everything


Fragile[E.L.T] (2001)

王道進行をひたすら前面に押し出した平凡な曲。これを「いい曲」と感じちゃうリスナーがいるのは理解できるんだけど、作り手としては批判的にならざるを得ません。
♪Fragile


さくら[ケツメイシ] (2005)

この曲も一般の人達にはすごくウケがいいし、それは理解できる。 でも王道進行にまんまラップを乗せた安直さは、ある意味JPOPを10年遅らせたとも言える。聴いててすごく複雑な気分になる曲。
♪さくら


Can't Take My Eyes Off You[Boys Town Gang] (1982)

この曲とGive Me Up、2曲ともコード進行としては冒頭Dm9。このあたりはJAZZのⅡ→Ⅴからの流れという意味合いの方が強いのかも。それにしても気持がいい曲です。
♪Can't Take My Eyes Off You


Give Me Up[Michael Fortunati] (1986)

この曲を、特に若い年齢層の人がどれくらい知っているのかすごく興味がある。
♪Give Me Up


I Should Be So Lucky[Kylie Minogue] (1988)

今のカイリーミノーグから比べると別人の様なアイドル路線。逆に言うとそれだけサウンド的に進化を遂げた今のカイリーミノーグと、いまだにmihimaruGTとかが20年前のI Should Be So Lucky をカバーしちゃう日本の状況。要するに20年遅れてる。
♪I Should Be So Lucky


Together Forever [Rick Astley] (1988)

この曲はオッサンホイホイかなあ。今の人は知らなそうだなあ。どうなんだろう?
♪Together Forever


大迷惑 [ユニコーン] (1989)

超大胆なアレンジとオーケストレーションのお陰で、王道進行が隠し味くらいにしか感じない。才能って素晴らしい。動画の方で敢えて弾かなかったのは、ピアノじゃどう考えてもこの曲の素晴らしさを伝えられないから。
♪大迷惑


だいすき [岡村靖幸] (1988)

この曲もメロディラインが個性的なんで王道進行をほとんど意識させない。これもピアノではメロディラインの味わいを伝えられないと思って弾きませんでした。
♪だいすき


夢のうた [幸田來未] (2006)

エイベックスのここ最近の手抜きっぷりはなんなんだろう?バラードとか特に。逆にアーティストがかわいそうになる。
♪夢のうた


偶然の確率 [GIRL NEXT DOOR] (2008)

誰かが、"avexで「社運をかけた」ってフラグだよね"って言っててまったくだと思った。
♪偶然の確率


Drive Away [GIRL NEXT DOOR] (2008)

デビュー曲もビックリしたけど、これはもっとビックリした。
♪Drive Away


前エントリーで、YouTubeとCBSとの提携内容が後に重要な意味を持つ可能性について書いた。無許諾アップロードを著作権者が事後承諾する可能性を残す画期的なものだと。

しかし、言い換えるとそれはあくまで提携内容から「期待できる」という話であって、その後CBSが実際にどう振舞うのかが重要であった。実際のところどうなのか。

結論から言うと、ここまでのところCBSは予想を超えて革新的で大胆に振舞っている様に見える。これまでの提携企業とは明らかに違う様だ。予想以上にYouTubeユーザのコミュニティを尊重し、好意的に接している。アメリカ三大ネットワークの一角を担うメジャー企業が、ここまで柔軟な姿勢を打ち出せる事が驚きだし、アメリカはやっぱりスゲー国だと改めて思わずにいられない。

個人的に最も興味深い出来事が10月末に起こった。
The Silent Patriotというアカウント名のユーザが,YouTubeにあるコンテンツをUPした。
CBSで放映されたマイケルJフォックスの独占インタビューの映像 だった。
これが多くのアクセスを集め、Most Viewedにランクインする。
そして(おそらく)その数時間後、CBSが同じ内容のインタビュー映像 をYouTubeにUPする。
私がこの2つの映像に気付いた10月27日深夜の段階で、CBSの映像がMostViewedの3位くらいに、The Silent Patriot氏がその前にUPした映像が確か6位くらいにそれぞれランクインしていた。
だから、YouTubeのコンテンツ識別アーキテクチャに頼るまでも無く、CBSがThe Silent Patriot氏のアップロード映像を認識していなかった事は有り得ない。
つまりCBSはThe Silent Patriot氏のアップロード映像を「事後承諾」したのだ。リンク先の映像が今でも見れるのがその証左である。
この様な事例をこんなに早く確認できるとは思わなかった。CBSは著作権侵害行為の取締りよりもそこから生まれるインセンティブの方を重視している事が証明されたと言って良い。なんとも太っ腹ではないか。

提携からまだ一ヶ月足らずだが、今日現在で既にCBSは209もの番組映像を自らYouTubeに配信し、Viewカウント上位20に2~4のコンテンツを輩出している状況がこのところ連日続いている。そして、それらのコンテンツが一般ユーザの映像とフラットに扱われているのも興味深い。CBSもYouTubeの一ユーザとして存在し、名前をクリックすると他のユーザと同様にプロフィールが見れる
"Age: 78"なんてそのセンスが憎い。

これらの状況から察するに、CBSはYouTubeの在り方を肯定し、そのユーザコミュニティを破壊しないように最大限の配慮をしている。彼らは本腰を入れてCGMとの共存を模索しているのではないか。

CBSのこの振る舞いは、YouTubeの「訴訟リスク」にも大きな援護射撃になるだろう。何故なら、「YouTubeは著作権侵害コンテンツを自発的に削除すべき」という主張が説得力を失うからだ。
Napsterの時はレコードレーベル各社が一枚岩となって叩いたからこそ大打撃を受けたが、コンテンツホルダーがバラバラのスタンスである限りそこから受ける打撃も限定される。訴訟リスクそのものはこれからも抱え続けるだろうが、最早YouTubeが著作権問題で存続が危ぶまれる程追い込まれる事は無いと確信する。

それにしても、「YouTube対策強化週間」とかいって3万ファイル削除して喜んでいる日本の状況とのギャップはどうだ。まあ、ハナから期待できないのは判っているから、アメリカとのギャップが広がるのは悪い事ではない。CBSのような新しい発想の芽が花を咲かせて外圧となってフィードバックすれば、日本の状況も面白くなるかもしれない。

YouTubeがGoogleに16億5000万ドルで買収された。

ちらほらと噂が流れていたとは言え、このニュースに驚かなかった人はいないだろう。

初代Napster台頭から始まった、「著作権ビジネスにおける既得権勢力と新興勢力とのせめぎ合い」という視点で見た場合、今回の落とし所は間違いなくハッピーエンドであり、YouTubeは大きな2つの「戦果」をネット社会にもたらしたと思う。

1つ目の「戦果」は、YouTubeが16億5000万ドルという具体的な「存在価値」を歴史に刻んだ事だ。
初代Napsterの消滅以降、著作権ビジネスというフィールドでは「革命」は起こせないという諦めムードが支配していた。Napsterの件が無かったならば、iTMSだってもっとラジカルな戦略をとっていたかもしれない。Napsterの失敗の記憶は、多くの新興ビジネスを萎縮させ、より「安全な道」を選択させてきた。

しかし、YouTubeは世間の注目を浴びて以降約1年もの間、著作権ビジネスにおける「問題児」としてグレーゾーンに存在し続けたまま、とりあえずのサクセスストーリーを描き切った。
YouTubeが今後どうなろうとも、今日までYouTubeが取ってきた戦略とその結果としての16億5000万ドルという価値は客観的事実として歴史に残る。

今後、後発の起業家達はYouTubeの「サクセスストーリー」を先例として思い描く事ができる。1年前までは、Napsterの暗い末路しか思い出すことができなかった。この違いは大きい。YouTubeが初代Napsterの呪縛を解いたのだ。


そして2つ目の「戦果」は、買収劇ではなく同時に発表された「CBS,ユニバーサル,SonyBMGとの提携」にある。

買収のインパクトがあまりに大きすぎてさほど注目されていないが、この提携は買収と同じ位インパクトがあると思っている。
後に振り返った時、この提携が著作権における発想の転換点だったとあらためて評価されるのではないか。

特に注目するのは、CBSとの提携内容である。MYCOMの記事から以下抜粋。

同社(CBS 引用者注)はまた、YouTubeが新たに導入したコンテンツ識別アーキテクチャを試す最初の企業になる。同技術は著作権で保護されたコンテンツを識別し、YouTubeにおける利用をレポートする。著作権が侵害されている場合は、著作権保有者であるCBSが削除できる。ただしCBSが問題なしと判断すれば、そのまま公開が継続する可能性もあり、そのコンテンツに関連して広告収入などが発生した場合はCBSにも分配されるそうだ。

この提携内容が持つ大きな意味にお気づきだろうか。
判りやすく言うと、無許諾アップロード行為が著作権者によって事後承諾されるパターンがあるという事だ。
これはとんでもなく大きな一歩じゃないか。これまで著作権者は例外なく100%事前許諾を大前提としてきた。その常識を覆すものだ。無許諾=違法とは限らなくなるという事だ。

ちょうど3ヶ月前、事前許諾に固執するコンテンツホルダーを 無断リンク禁止に例えて揶揄するエントリーを書いた。このエントリーは随分と誤解もされたが、真意ははそういう事だった。

そして、他のエントリーでも「違法」という言葉は決して使わず一貫して「無許諾アップロード」「無許諾コピー」という表現を意図的に使ってきた。無許諾である事が即違法とは限らないじゃないかという強い思いがあったからで、だからこそ事後承諾の可能性を残す今回の提携に敏感に反応した次第。実際の運用上、CBSが90%の無許諾コンテンツを削除しても構わない。10%でも無許諾アップロードが合法となる既成事実が出来れば、それだけで十分「常識」は変わる。

今回の買収劇がたとえ無かったとしても、YouTubeがメジャービジネスを志向する以上いずれはどのみちコンテンツホルダーのコントロールを受け入れなければならない。問題は、それが「どのようなコントロールであるか」だ。

その意味で、YouTubeは今回のCBSとの提携において、さりげなく大きな風穴を開けた。とりあえずGoodJobと言いたい。ここから著作権ビジネスの展開が劇的に変わる、かも。

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