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社会・政治

住の安心を確保する最適解は「消費者向け民間検査ビジネス」の創出

まだ、このアイディアは全然ブラッシュアップしていませんが、前エントリーが予想外の反響だった事もあり、その後もいろいろ思考を巡らせて見てとりあえずの結論です。
※今エントリーでは、「ですます調」でいきますw なんとなく。
悪質リフォーム問題から始まって、次々と明らかになる談合体質、そして今回の耐震強度偽造事件…建築業界への信頼が地に落ちて前途真っ暗な印象を持ってしまう昨今ですが、信頼の失墜はそのまま「住環境の危機」として消費者に跳ね返ってくるわけでこれは誰にとっても深刻な問題です。
でもこれらの諸問題を解決するカギは、気がついてしまえばすごくシンプルな問題なんじゃないかと。
それが表題にもある、「消費者向け民間検査ビジネス」の創出です。この、「消費者向け」というのがポイント。こう書いてしまうとすごく単純に見えますが、実際のところ発想は単純です。
この発想のヒントになったのは、bewaadさんのエントリー
建築物の安全基準遵守に関する規制のあり方
のこの部分です。以下抜粋。

プリンシパル・エージェント問題の存在

プリンシパルとは依頼者、エージェントとは依頼者のために働く者のことですが、
エージェントにとっての利害とプリンシパルにとってのそれが同じ向きでない場合、
エージェントは自らの利益を優先させプリンシパルのそれをないがしろにする
インセンティブが働きます。本件でいえば買い手がプリンシパル、
検査会社がエージェントということになりますが、検査会社が買い手の利益に
なるよう厳しくチェックしても検査依頼が減るだけであれば、厳しいチェックを
期待できなくても止むを得ません。

これ読んで「なるほど」と思いました。検査会社が買い手にとってのエージェントとなり得ないのは実は当たり前で、それは「イーホームズ」や「日本ERI」にとってのクライアントが、最終的な買い手である「消費者」ではないからです。民間ビジネスが直接の「クライアント」の事情を汲んでしまうのは有る意味当然なので今後、どれほど検査手続きの見直しをしても、消費者保護という観点から見ればどうしても「限界」があるわけです。
そもそも、これまでの「構造検査」は、建築物を建てる上での法的手続きに組み込まれた「ルーチン」でしかなく、要するに「お役所仕事」をそのまま民間に発注しているだけのものです。彼らは「書類チェック」のプロであり、「建築」のプロではないわけですね。
それでも、「イーホームズ」の場合で見ると約120名の検査スタッフのうち、構造設計実務経験者が30名ほど在籍していると聞いており、わずかではありますが実務経験者が存在しているお陰で、今回の構造偽造問題発見に至ったと考える事ができます(これが前回のエントリーに繋がってきます)
そこで、「消費者向け民間検査ビジネス」です。「イーホームズ」や「日本ERI」に過度の期待をするのではなく、全く新しい消費者専門の民間検査ビジネスを立ち上げるのです。
文字通り「消費者」が直接のクライアントであり、様々な物件の様々な検査を消費者の依頼で実施してくれる企業・機関を創出・育成すれば良いのではないかという発想。
耐震構造だけでなく、リフォームの品質検査など、検査項目は消費者のニーズに合わせて揃えます。
重要なのは人材の確保ですが、このビジネスには設計施工の実務経験者だけを揃えます。今回の耐震強度偽造でも、「設計施工実務のベテランであれば直感的に異常だと気づく」という証言が複数なされています。
そんな「プロ」をどうやって確保するか。実は最適の人材がゴロゴロしてます。
それは、談合体質の崩壊によって過当競争に移行しつつある建設業界で、このままでは淘汰されてしまう中小の設計施工業者です。もともと日本という狭い国土には相応しくないほど建設業界は人が余ってますから、人材の確保は容易。彼らも今までの経験と知識を生かせるわけですからIT業界や介護ビジネスへ転身しなさい、などと無茶な注文をするより遥かに現実的です。
このビジネスにはもう一つの意味があります。それは、建設業界の信頼を失墜させた張本人達の受け皿にもなるという点。
例えば姉歯設計士などは、然るべき償いを終えてもらった後、三顧の礼をもってこのビジネスに迎え入れます。
世界一有名なサイバー犯罪者、ケビンミトニックがいまやセキュリティアドバイザーになっているのと同じ発想です。姉歯氏ほど「設計書偽造」の全てを知り尽くす人間はいないわけですからこのビジネスには最高の戦力になります。あまたいる悪質リフォーム業者も同じ。その手口を知る者を積極的に受け入れる事により、マイナスをプラスに転換できるわけです。
[追記]
コメント欄でのバイスさんのご意見に応えて。
このビジネスにおける民間検査は「設計段階」に限りません。そもそも設計書に100%忠実な「施工」が行われるとは限らないという心配もあります。「今住んでる私の家は大丈夫だろうか?」「まさにマンションを買おうと思ってるんだけどあの分譲マンションは信用できるんだろうか?」といった不安を抱えている人が日本中にいるわけで、そういう需要に対する供給をイメージしてます。(もちろん設計段階でもOKです。販売仲介業者が先取りして設計施工段階で審査を依頼し、それを優良物件の証とする販売戦略もアリでしょう。)
いま、政府で全建築物を再チェックするなんて話も出てますが、たとえそれが行われると仮定してもそのチェックが「ワンタイム」では今後の対策としてはあまり意味がありませんし、税金投入額も数千億円に及んでしまいます。
[追記ここまで]
まだイマイチまとまりが悪いですが、これが現時点で到達した私なりの提言です。
この発想を実現するには、障害がたくさんあるのかもしれませんがちょっと私にはまだ見えてません。
コメント欄等でツッコミいただければ幸いです。

「住の安心を確保する最適解は「消費者向け民間検査ビジネス」の創出」への33件の返信

設計の段階では消費者がおらず時間差が生じるため、そのシステムでは難しいと思います。また、一人一人の個人では対抗しずらいです。欠陥マンションの自治会内で対立が起きているところもあるそうです。
消費者が払うより、住宅ローン金融会社が払えば、万事解決ではないでしょうか。そして、欠陥住宅と分かり、建築主に支払能力がない場合、住宅ローン会社が金銭面での最終責任をとります。今までの金融システムと大きく変わるため、法律の整備などが大変でしょうけど、これが一番堅固なシステムかと思います。

バイスさん>
ご指摘の点に対するお答えは、エントリーに書いておくべきものだったと思いましたので、エントリーに追記してみました。

追記について
一般人は、お金を払ってまでそんなことはしないと思います。上のコメントでも書きましたが、マンションで検査をするかしないかを巡って、自治会内の対立が生じているマンションがあるそうです。
検査をして不正が分かったら、自分のマンションの価値が0になるのですから、人間心理としては見なかったことにしたいのでしょう。検査に反対する人の気持ちも分かりませす。
テレビ番組「紳介のバリバリバリュー」で紹介していたのですが、一戸建てを立てる場合、建築段階において、第3者の監査費用に約50万円かかるそうです。つまりJ2さんの言われるものと似たシステムは現存しているのです。
しかし、そういった監査を受ける人が建築段階においてさえ少ない現状を考えると、建物引渡し後に、そのような検査を受ける人が多数いるとは思えません。また、たとえ不正が分かったとしても、売主が賠償金を払ってくれず、裁判になって数年かかっているのが現状です。

明確な問題点が一つあるので指摘しておきます。
それは、それだけでは経済学でいう「逆選択」が防げないことです。
逆選択を防ぐには医療保険のように皆保険にしないとダメで、消費者の任意にまかせると、この問題が生じます。
理想的なチェック機関の条件を簡単にあげますと、
1、施工業者集団と利益相反関係にあること
2、万が一の場合の責任能力があること
で、アメリカのように検査機関を損保業界にさせるように、施工業者との利益相反関係をつくらせ、かつ皆保険にするべきです。

バイスさん>
問題点は2つあって、
1.不良建築物の被害者救済
2.再発防止
で、バイスさんおっしゃるローンの問題は1の方ですね。もちろんそちらも必要ですし、おっしゃる方策には賛成ですが、私が今回問題にしたかったのは2の方なんです。
で、ゆーきさんのコメントにも繋がるのですが、ポイントは
「建設業界」内部の倫理向上とか自浄ではなく「別の業種」として独立させる事。発想としては保険業界主導に近くて、その実働スタッフとして「元設計施工業者」が検査に当たる、みたいな。
私の考えもまだ固まってませんが….
ゆーきさん>
利益相反というのはとても重要なポイントだと思います。
エントリーでは言葉足らずだったかもですが同感です。
基本的な検査は皆保険で、任意保険商品的な選択肢があると理想的かも。やっぱり保険主導の検査機関というのがしっくりきますね。

お互い誤解があるようですが。。。
現在問題のマンションについては、法的整備がなく公的資金を投入すれば数千億円になるので、被害居住者には泣いてもらおうと思ってます。
住宅ローンの論議は、再発防止です。J2さんの消費者と、ゆーきさんの保険業界と、私の住宅ローン金融会社は、同じ位置づけです。

(追記)
もし居住者が被害に合った場合、最終責任が住宅ローン金融会社にいくのですから、住宅ローン会社は必死になって再発防止に努めます。おそらくは、いくつかの住宅ローン金融会社が合同で検査機関を作ることになるでしょう。

バイスさん>
私の理解不足にお付き合いいただきすみません
おかげで少し自分でも整理できてきた気がします。
バイスさんのご意見は、R30さんの案に近いものでしょうか?
http://shinta.tea-nifty.com/nikki/2005/11/gizou_0423.html
私の考えでポイントなのは、「検査機関」と「住宅購入者」が直接の契約関係を持つ事、住宅購入者に検査機関及び検査レベルの選択権がある事、です。そこに市場原理が働いてこそプリンシパル・エージェントが機能するんじゃないか、という意味で。
ファイナンス主体だと、素朴な疑問として一括支払いの購入者などの扱いはどうするんだろうとかありますし、あとbewaadさんのエントリー http://bewaad.com/20051201.html#p01 など見る限りやはり法的な問題がある見たいですし。
検査と保証は表裏一体だという意味では、保険商品とのセットであれば親和性が高いですし、複数の検査機関の検査を組み合わせたり、あるいは数年後に保険商品=検査機関を乗り換えたりという「消費者」からみた自由度が高く、市場原理が働きやすいかなと。

R30さんとbewaadさんの意見は読みましたが、現状では無理ということに関しては、私も両者と同意見です。
しかし、今後については、法律を作ればよいのです。法律は法律家のためにあるのではなく、一般大衆のために法律があるのですから。
一括支払いの場合は、裕福な人でしょうから、個人でお金を払って検査してもらえれば良いと思います。検査をケチるような場合は自己責任ですし、裕福な人が損をするのは社会的には許容できます。
とにかく、個人が最終責任を負うというシステムに私は反対で、住宅ローン会社にしろ損害保険会社にしろ機関(会社など)が最終責任を負う形にすべきです。
何度も議論にお付き合いいただいて、ありがとうございました。

バイスさん>
本当にバイスさんのお陰で考えが煮詰まってきました。ホントにありがとうございます。
いろいろ考えたんですが、やはりファイナンス主導は考える程に違和感が膨らんできてしまいます。
今回の偽装問題を考えれば自明ですが、「検査」と「検査に瑕疵があった場合の責任」はセットで考えなければなりません。そして、住み続けて5年、10年と経つたびに建物の状況というのは変化しますので、最初に1回検査すればすむというものでもありません。
ファイナンスだと、支払いが完了した段階で契約関係が切れてしまいます。支払い完了後に瑕疵が発覚した場合、結局住民はどうすることもできないわけで、それでは「住の安心を確保する」目的とは程遠いものになってしまいます。
保険の方がはるかに「自然」だと思うのですが、バイスさんが何故そこまで強硬に否定なさるのか、ちょっと知りたいです。

追加
それから、「ローンを肩代わりする」という責任の取り方だと、瑕疵の発覚が遅れれば遅れるほど、明確に責任団体に実利が生じるわけで、万が一瑕疵を発見したときに、それを隠蔽し続ける大きなインセンティブが発生してしまうと思います。ファイナンス主導だと「販売前」に見逃した欠陥は逆に永久に世に出なくなってしまう気がします。

不動産取引における一般消費者側のプリンシパルエージェントの地位にいる者は、仲介担当の宅地建物取引主任だと思います。
 不動産屋は物件の何%って仲介手数料を取ってリスクマネージメントをするのが仕事なんだと思うんですけど。(仲介者を立てずに契約するのが怖いからこそ仲介を不動産屋に依頼するわけですよね。)
bewaad氏の所で「ゼネコンの機能不全」についてコメントしましたが、不動産業も機能不全に陥ってる気がします。
#不動産仲介が有資格者にしか許されない事についてあまり触れられていませんね。私は不動産屋が図面からでも見積書からでもわかる瑕疵を見逃すのは許されないと思ってます。

何度も登場ですが。。。
検査は最初の1回だけです。何度も検査してたら無駄なコストがかかって社会的損失です。検査は住宅ローンの審査をして入居する前だけです。
また、建築後に検査をすると莫大な時間とお金がかかるので、社会的コストを考えると、設計・建築段階から検査(監査)をするのが理想です。
別に保険でもかまいません。しかし、なぜ住宅ローンとのセットを目論んだかというと、
第1に、住宅ローンはほとんどの人が使うので手間が省けてよいと思ったからです。
第2に、個人にとっては住宅ローンの支払いが一番重要であり、建物とローンは裏表の関係だからです。
第3に、この検査はほぼ全員に強制的に受けさせる必要があるからです。
J2さんの言われる保険は、自動車の自賠責保険のように強制保険なのですか? もし強制なら私も保険でかまいませんし、保険の方が法律的にも素直なシステムになると思います。しかし、強制保険でないのなら、多くの人が保険に加入しないと予想されるので、問題は解決されません。

バイスさん>
いえいえ、コメント大歓迎です。ありがとうございます。
例えば、バイスさんの住んでいる所で震度4の地震があったとします。翌朝見ると建物全体に細かい亀裂が入っていたと。そんな時に建物の簡単な状態検査みたいなニーズってのは実はすごく高いのじゃないかと。
検査は高額とは限りません。私の知り合いには一級建築士も何人かいますが、ビルを一目見ただけでどの程度手抜きされてるかとか、ある程度判るといっています。状態を視認するだけならかなり低額で済むはずです。健康診断にも簡易な診断から人間ドック、ガン検診など多々あるようにニーズに合わせてメニュー化する事が可能です。
皆保険については、とくに最初は考えていませんでしたが、ゆーきさんからのコメントで「逆選択」という問題がある事を知りました。
で、そこから考えてイメージしたのは、まさにバイスさんおっしゃる車の自賠責と任意保険のような組み合わせです。
自動車保険のような、1つの新しいマーケットを創出できないか?潜在ニーズはかなりあるのではないか?というのがこのエントリーの主旨なわけです。

kumakuma1967さん>
レスの順番が前後してしまいました。
不動産仲介業者ってどの程度「建築」に精通しているんでしょうね。今回の強度偽装事件でもほとんどスルーされてるような気が。。。
ご指摘の点ですが、有資格者である「仲介」というノードにより明確な責任の所在を求めるのは、おもしろい発想ですね。気がつきませんでした。
文字通り「仲介」業者なので、売主と買い手両方の「エージェント」という性格がありますよね。しかし現実には、売主の「エージェント」である性格が強いのではないでしょうか。
1.良い物件であれば確実に売れる。
2.マンションなどは他の販売業に比べて買い手がリピーターになる確率が極めて低い(つまり優良顧客を獲得するという事の価値が相対的に低い)
3.結局どちらかというと売り手との関係をより重視する可能性がある
みたいな事を考えました。不動産業は明るくないので実際はそんな単純じゃないのかもしれませんが。。。

確かに、一級建築士が見れば、建築物の手抜き具合はある程度分かるでしょう。では、それでもって建築主(ヒューザー)・損害保険会社などから自動的に賠償金が支払われるかといえば、全く不可能なことです。(・・・と思います。友人の一級建築士に建築主から賠償金をとれるかどうか聞いてみてください。今現在でも10年以内に見つかった不正は建築主が修復・賠償をしなければなりませんが、建築主が修復・支払いを拒否し、日本中で裁判が起きています。)
おそらく勝てるかどうか分からない裁判を数年かけて続けなければならないでしょう。つまり、安い簡易な検査では、賠償金を支払うまでには至らないのです。また、入居前に設計・建築段階において安い簡易な検査をするのですから、入居後に同レベルの簡易な検査をしても、不正はほとんど発見できないでしょう。
前のコメントで、建築段階の検査は安くできるが、建築後の検査はお金がかかると、私は述べています。
というか、建築段階において第3者の監査(検査)をすれば、ほとんどの不正住宅問題は解決できるのです。(そうや、それだけの話やん。議論は終わった、と私は思うがいかが?  で、最後のまとめに飛ぶ。)
また、たとえ極度の不良であろうと経年変化によるものまで、賠償の対象にするのは社会的・法律的に間違っていると思いますし、保険システムが成り立たなくなると思われます。建築後20年たってから、いきなり賠償金を払えと言われたら、損害保険会社はお手上げでしょうし、元となる保険料が非常に高くなるでしょう。
強制保険であれば、私も同意いたします。また、すべて強制保険でなければなりません。自動車保険で自賠責のみで任意保険に入ってない人が事故を起こした場合、加害者・被害者共に金銭的に悲惨な目に合うケースが多発していることを考えれば、自明でしょう。他の例としては、地震大国日本において地震保険は必須のモノであるにもかかわらず、任意地震保険の加入者が非常に少ないことが、強制保険でなければならないことを示唆するでしょう。
長々と書いていて、今、気づいた。
(1)設計・建築段階において、監査を入れれば問題解決。終わり。(一戸建ての場合、数十万円。しかし、多くの人はそれをケチる。)
(2)保険会社か住宅ローン会社かは枝葉末節の話。その辺は、お上が業界と調整してもらえればよくて、賠償金をもらえれば一般大衆にとっては関係ない。

バイスさん>
なんでそんな必死なんですか….
ちょっと違和感を覚えます。
私がイメージしているのは、賠償金じゃなくて保険金ですよ。保険商品って言ってるじゃないですか。
そしてこれは将来の話であって、既に起きてしまっている事件の処理に適応できないのは当然です。
あなたはニーズの存在そのものを否定されてます?
ニーズはあるでしょう?あとはどの位の料金設定でどのくらいの内容を実現できるかなど、ビジネスとしての実現可能性の問題です。
この程度の漠然とした提言に、そこまで全否定されるととまどいます。
>賠償金をもらえれば一般大衆にとっては関係ない。
何を根拠におっしゃってるのか…
私は個別の事件ではなく、まさに一般大衆にとっての不安とそれを解決するための案を模索しているだけなんですが。

全否定というのはちょっと私の誤読でした。
前半部と結論部を読んで判断を急ぎすぎた様です。
でも、強制保険であれば同意するというご意見と
>設計・建築段階において、監査を入れれば問題解決。終わり。
という結論は矛盾してませんか。

>不動産仲介業者ってどの程度「建築」に精通しているんでしょうね。
エントリ立ててトラックバック送ってみましたが、この件については「指示してやらせた」「知っていたけど隠した」のどちらかしかあり得ないと思ってます。で、図面や見積書を見た事のある有資格者がそれ以外のいいわけをする事を許しちゃいかんと思うです。
 今回のようなデベロッパー直販ものについてはユーザー側エージェントがいない(だから必要だと思ったらユーザー側で用意してね)って事の明示が最低限でも必要でしょうね。

ごめん、長々と書いてて最後に面倒になっちゃって。。。
暴力的な言論になったのは、お詫びします。
強制保険と建築段階の監査は、確かに矛盾してますね。
自分が家を建てる場合を想定してみると、建築段階で監査を入れますが、その後は保険料を払いたくありません。そのため、強制保険と建築段階の監査の組み合わせになりました。
また、保険というニーズはあると思います。しかし、私は払いたくないので強制保険を推したわけです。

J2さんの「保険商品」というのは、掛け金=定期検査の費用、保険金=定期検査で欠陥住宅と判明した時の建て替え費用、という商品でしょうか?
検査する人と、保険金を払う人が一緒だったら、容易に隠蔽されて意味ないと思うのですが、この辺、私の読解力不足でしょうか?

マンション耐震性能偽装問題の所感

うちはかなり昔に建てられたところに、時々建て増しや改築したところ(なんか土間とかあって、中で牛を飼っていたりもしたらしい)なのでマンションとは無縁なので、いまい…

kumakuma1967さん>
今回のヒューザーの場合はやはり仲介業者不在なんでしょうか。だとするとkumakuma1967さんの前提には、「リスクマネジメントを担う仲介業者を通す事を義務付ける」というのがあるのかな?
>「指示してやらせた」「知っていたけど隠した」
この部分についてはちょっと異論があります。
「知らなかった」という状況はやっぱりありえたかな、と。
通常より鋼材が少ない、細いといった疑問については、木村建設や総合研究所が「姉歯氏が編み出した全く新しい工法ですから」という説明をしていたと聞きます。
こういう説明でとりあえず納得する業者がいても不思議ではないです。「怪訝に思う」のと「犯罪だと確信する」の間には大きな開きがあるのではないでしょうか。「犯罪だと確信する」にはやはり相当な専門知識が必要な気がします。
バイスさん>
了解いたしました。
とりあえず、今回の強度偽装事件の事は一旦忘れて
「消費者」から見て「住の安心を確保する」というマクロな視点で魅力的なビジネスにならないだろうか?と妄想を膨らませるいうのが今エントリーの出発点でした。
Sinさん>
「保険商品」というのは、まだ漠然としたイメージですが、
「利益相反」はコメント欄でも前述しましたが重要なポイントです。バイスさんへの直前のレスにもありますが、発想を変えて「消費者のニーズからみてどういう商品だと魅力的かな」と考察を深めてみるのも面白いのではないか、と。
検査する人と、保険金を払う人が一緒な場合、ご指摘の通り「利益相反」にならない危険は確かにありますが、それは商品設計で吸収可能かと思います。
あと、私の案は「保険商品」との抱き合わせを前提として、高レベルな検査機能を保険業界主体で立ち上げる、というものではありますが、一旦検査機能が確立してしまえば、保険とは抱き合わせしない「検査部分」のみの商品もアリかと思います。
そして、複数の保険企業がその部分で市場原理に基く競争を行えば、いい加減な検査をしている業者は発覚しやすく、ある程度の秩序醸成は計られるのではないかと。

破産申請すればローンもなくなるし所有者でもなくなるので
解体費用も負担しなくて良いのではないですか?
解体、立て替え費用が保証されなければその方がお得?

んー、リスキーだけど安いのも魅力っすね。だから、リスキーなものはリスキーってでかでかと書いてあるのが好み。
そもそも持ち家は借家に比べてリスキーな存在だと思いますし。
あと、住宅ローン借りると入る火災保険に瑕疵で資産価値が下がった時に保険金が下りる(請求権は保険会社に移る)オプションがあるといいかなぁ。(生命保険の方なんて失業オプションとか自殺オプションとかもあるのに….)
>「怪訝に思う」のと「犯罪だと確信する」の間には大きな開きがあるのではないでしょうか。
怪訝に思った時に、リスクマネージメントを業とするものはどうするべきなのでしょう?十億単位のリスクをコントロールしている自覚がある時に、怪訝に思ったまま放置するでしょうか?
 今回の件に限っては、構造屋さんが意匠屋さんと施主双方の指示と施工業者の協力なしにこういう事が出来るとは思えないんですよ。
 退去命令が出た物件の紹介見ましたけど、開口部は大きく、柱が少なく巨大な空間、高い天井…..そうですね、鉄骨2階建てのイメージに近い。
 意匠屋さんだって建築士ですからね。設計図どころか間取り図からあり得ない事はわかってたでしょう。画期的な反重力の発明でもあれば別ですが。

運送業の場合 早く安くしろ・・・でしょう
顧客はスピード違反をしろ 睡眠削れとは絶対言わない
仕事にありつけるのは?
>怪訝に思ったまま放置するでしょうか?
自分に利益があるなら放置しない
不利益なら隠蔽
どちらでもないなら放置 が現実ではないでしょうか
協力しないことがマイナス面の協力になってしまう
意匠屋から出てきた設計図で基準強度に数パーセント
満たない場合、時間かけて再計算したり、構造変更の
提案を考えたりするよりも・・・

こういうシステムは、どうでしょうか?
 
住宅購入価格に、耐震保証をオプションで用意し、価格を上乗せする。
どこかが検査して耐震性に問題あり、という判定を出してきたら、販売会社はオプション選択者に購入費用+αを支払う。
オプション選択してない人は免責、と。
誰が建築後に検査費用だすのか(→住民)、販売会社とは利益相反になるのか(→検査がどこがやるのか分からないので、事前検査に必死になる)と、割といい感じだと思うんですが。
J2さんの元々の提案の、「住民が不安になった時の検査機関」というニーズは発生しますし。
バイスは「そんなん誰も払う訳ないよ」というかもしれませんが、いざという時に賠償金が一切手に入らない、という条件があれば、事実上の強制保険になるんじゃないですかね?

J2さん
R30さん、Bewaadさん、404さんなどのところで、損保による補償の問題がありますが、損保はそもそも何を検査して、何を補償するのでしょうか?
それがいまいちよくわからないのですが。
耐震性が設計図の段階で、法律の範囲をクリアしているかどうかということでしょうか?

第2回目の衆院国交委員会参考人質疑にて、最初に姉歯氏の設計の異常性を看破し、各検査機関に警告を発したアトラス設計渡辺氏の発言で注目すべきものがいくつか。
「実際問題、完全に分担業務になってしまっているので、一級建築士であっても意匠の人間が構造の異常に気付いたりという事はまず無い」
「1年半前に姉歯氏の構造設計書を初めて見た時は、おかしいとは思ったが偽装とは思わなかった。これもありうる数値かな、という程度だった」
あと、強度偽装マンションが「住宅性能表示」で太鼓判を押されていたとか
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051207i315.htm
今の住宅保証制度は国民への浸透度が著しく低いし、機能的にも全く信頼できません。
損保業界のようなところが高度な検査機能と多彩なメニューを提供すれば潜在ニーズは掘り起こされる、と。
民間独自の検査基準と、信頼に足るブランド確立に成功すれば国民はそちらを信頼するはず。
あと、建築基準法に基く構造設計書チェックが実は甘甘だったという時点で、施工チェックにあたる中間検査や完成検査のチェック項目も最早信頼できないという発想があまり見受けられないのが不思議ですね。

>あと(中略)施工チェックにあたる中間検査や完成検査のチェック項目も最早信頼できないという発想があまり見受けられないのが不思議ですね。
|゜Q。)<そう云う細かい工程は多分一般の人(自分もですが)は知らないのでー
|)っ[建築に纏わる業界・行政全て信用を失っているor著しく低下している]ジャマイカト

世の中の平均的な建築士や最低の建築士がどんなもんかは知らない。でも、意匠事務所に居る二級建築士で設備専門の人でも、建築士資格のないデザイナーでも、意匠を考える時に柱の太さや壁の量がどのくらいでもつのかだいたいわかってないと仕事にならないように見える。
 苦手も盲点もあるし、力が集中する場所の補強も必要なので、責任もって計算はしない。そういうところで偽造されるとつらいだろうね。
 でも今回の偽造で強度落としたのはモロに柱とかのわかりやすい部分で、それは施工図面にも間取り図(僕が見たのは藤沢の)にも出てて隠されてない。んで、同一コンセプトのシリーズマンションでエスカレートした結果じゃないのかなぁって気がしてます。

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